かつてブラジル代表として活躍したロビーニョ。ミラン時代の2013年1月に5名の男性とともに性的暴行事件に関わったとして、2017年に懲役9年を宣告された。
イタリアの控訴審も最高裁も一審判決を支持し、2022年1月に刑が確定。ただ、判決が下った際にイタリア国外にいたために刑は執行されていない。
イタリアはブラジルに対して身柄の引き渡しを求めたが、ブラジルでは憲法で国民の引き渡しを禁じている。そのため、2023年1月にイタリアはブラジルでの刑の執行を求める要請を行った。
2023年1月にブラジルの大統領に返り咲いたルーラ氏は、「性的暴行を犯した者は全員刑務所に入れなければいけない。金を持っている有名な若者が性的暴行?しかも集団で?恥を知れ。性的暴行は許されざる犯罪だ」とロビーニョへの刑執行に前向きな姿勢を示している。
そうしたなか、ロビーニョにブラジルでの服役を求めるイタリア政府の要請に対する審判がブラジルの司法最高裁判所で行われた。『Globo』によれば、彼は合意の上だったとしつつ、こう主張していたそう。
「イタリアでは4年しかプレーしなかったが、人種差別の話はうんざりするほど目にした。残念ながら今も続いている。2013年のことだったが、今は2024年だ。このような行為(人種差別)に対して何もしない人間が俺のことを非難している。
当然ながら、自分への判決が白人のイタリア人だったら違っていただろう。それは間違いない。これだけの証拠があるなら、有罪にはならなかっただろう。
(性的暴行で訴えられたと聞いて笑っていた音声が流出したが)あの音声録音は事件の1年後にされたものだ。信頼できない人間との会話だった。
多くの人間が金を得るためにサッカー選手に近寄ってくる。彼らは妊娠の話から始めた。自分の笑いは憤慨によるものだった…俺のことはゆすらせないぞと。
自分が犯罪を犯していないことは分かっているし、被害者を馬鹿にしたわけでもない」
裁判官の大部分が賛成した場合、ロビーニョはブラジルでの服役が決まるが、控訴する構えだそう。彼は「自分はモンスターではない」とも話していたという。