Jリーグも残すところ5試合となりました。

それぞれ残留争い、そして優勝争い、ACL圏内争いと激化していくそれぞれの闘い。

今回は、J1第33節終了時点で20位のサガン鳥栖の現状と立ち位置、そして残り5試合について考えみようと思います!

サガン鳥栖

20位:7勝 5分 21敗(33試合)、勝点26

得点39、失点63、得失点差-24

<現在のベストスタメン>

夏の移籍期間の動きと補強について

【IN】

• 今津佑太(8/21)[甲府/新加入]

• 寺山翼(8/20)[FC東京/期限付き]

• 久保藤次郎(8/14)[名古屋/期限付き]

• ジャジャ・シルバ(8/5)[FC東京/期限付き]

• 西矢健人(7/29)[藤枝/新加入]

• 清武弘嗣(7/7)[C大阪/期限付き]

• ヴィキンタス・スリヴカ(6/20)[PASラミア1964(ギリシャ)/新加入]

【OUT】

• 河原創(8/20)[川崎F]

• 横山歩夢(8/10)[バーミンガム・シティ(イングランド)]

• 手塚康平(8/5)[柏]

• 長沼洋一(8/3)[浦和]

• 菊地泰智(7/22)[名古屋]

• 河田篤秀(7/1)[群馬]

• 樺山諒乃介(7/1)[群馬/期限付き]

• 長澤シヴァタファリ(6/26)[水戸/期限付き]

川井健太監督の解任。多くの主力の移籍。最も苦しい夏を過ごしたのは間違いなくサガン鳥栖だと思います。

特に菊地泰智、長沼洋一、河原創、横山歩夢の移籍はチームの大きな大打撃を与えてしまいました。さらにマルセロ・ヒアンの怪我による離脱も苦しむ大きな要因となっています。

崩しの切り札として絶対的な地位を築き上げていた横山の移籍はサガン鳥栖の攻撃力低下に繋がったのは間違いありません。

多くの主力が移籍した中で当然多くの選手を獲得。まず攻撃のテコ入れとして崩しと組み立てを行える清武弘嗣の加入は納得です。さらにヴィキンタス・スリヴカもそれらを行うことができ、さらに最終局面にも絡んでいくことができる大型MF。彼もまた大きな戦力になっています。

寺山翼とジャジャ・シルバも納得の補強です。前者は菊地泰智の移籍によって、リンクを作れる選手を連れてくることが必須でした。後者は横山の代わりとして、ドリブルで攻撃のルートを切り開くことが可能です。

また守備のテコ入れも行ないました。ヴァンフォーレ甲府から今津佑太を獲得。しっかりと空いた穴を埋めましたが、多くの選手が入ってきたので連携面に不安も残ります。さらにチームとしても機能しているとは言い難く、攻守において課題が多く残ることも否めません。

しかしここにきて攻守においての連携面が向上してきました。532の守備ブロックを引いた33節のFC東京戦ではチームとして機能して、1-1となりましたが70分辺りまで試合を優位に進めることができていました。

ここから中断期間に入るので、マルセロ・ヒアンを中心に攻撃を構築する事ができれば、奇跡の大逆転残留が可能かもしれません。ここから先、1つも落とせない闘いが続きます。

残りの対戦相手と予想

34節 京都サンガ戦 (A)

残留争いを繰り広げるチームの中で、最も勢いのあるチームです。ラファエル・エリアスの加入により、チームが生き返り自慢のプレスも復活しました。強烈な3トップをどのように抑えていくかは当然のようにこの試合のテーマになるでしょう。

とはいえ京都は3バックのチームを苦手としています。京都のプレスが分断される事が多いのは3バックのチームと戦った時です。サガン鳥栖にとってはここが1つポジティブなポイントとなるのではないでしょうか。丁寧に人が動きながら、プレス分断と基準をずらしていく事ができれば、勝利を掴むことはできそうです。

35節 町田ゼルビア戦 (H)

今季のJリーグを掻き乱している町田ゼルビア。彼らは屈強なCFに長いパスを送り続けてトランジションで勝負をするチームで、前半戦は圧倒してきました。しかし後半戦に入って対策され、その勢いを失っていることも事実。

サガン鳥栖からするとFC東京戦のように532のブロックを作り続け、町田ゼルビアにボールを押し付けることで勝機を見出す事ができるでしょう。特にSBとCBが割れる事が多いので、IHやCFが積極的にチャンネルランを繰り返していくと、自然とチャンスは広がっていきそうです。

36節 横浜F・マリノス戦 (H)

理想を追い求め続けた結果、現状苦しんでいるのがマリノス。爆発的な攻撃力を誇っているのですが、ネガティブトランジションのところで苦しんでいます。

特に前進のところに制限をかけられてしまうと、3トップの個人技頼みの前進になっていることは否めません。だからそこを引っ掛けられて、ショートカウンターで失点してしまい、多くの失点を喫しているのだと思います。

サガン鳥栖からすると町田ゼルビア戦とは違って、前からプレッシングをかけ続けてショートカウンターを打てる状況を作り出したいところです。強烈な3トップがいるので失点は覚悟の上、「撃ち合いを制す」事が勝利の鍵となりそうです。

37節 名古屋グランパス戦 (A)

堅守速攻を体現しているチーム。縦に早く選手個々人の能力を遺憾なく発揮することで勝利をもぎ取るチームです。しかしスペースがない状況だと、森島司の能力頼みになって、攻撃が停滞する事が多いことも見受けられます。

サガン鳥栖からすると、グランパス相手にもボールを押し付けながら、上がってくるWBの背後を効率良く突いていきたいところです。屈強な3CBが並ぶので、中央ではなくサイドで勝負を仕掛けることで3CBの引き剥がしを生み出すことはできるでしょう。

グランパスが戻り切る前に、手数をかけずに速攻を完結する事が勝負の分かれ目になりそうです。そしてそれを作れるマルセロ・ヒアンが復帰しているのも大きな希望だと思います。

38節 ジュビロ磐田戦 (H)

熾烈な繰り広げる残留争いをライバル。他力になりますが、最終節まで残留争いを繰り広げておきたいところです。ジュビロは保持のバランス感覚と守備のコンパクトさがなくなってしまい、この順位にいます。しかしここにきてそれを取り戻しているのがジュビロ。もしかすると残り5試合で最も難しい一戦かもしれません。

サガン鳥栖からすると、配置的な優位性を使いながらクロスから攻撃を完結させたいところです。しかしFC東京戦では、獲れたサイドでの優位性を使わずに崩しに入る事が多くありました。シンプルにマルセロ・ヒアンを目指すクロスを積極的に送りたいところです。ジュビロは横からのクロスにあまり強くないので、ここを突いていくと勝利は掴めるかもしれません。

何はともあれ、とても難しい状況なのがサガン鳥栖です。残り5試合。またとない難し過ぎるミッションですが、運を手繰り寄せ、奇跡的な残留を果たすために全勝が必須条件です。

ポテンシャル半端ない!サガン鳥栖が育てた「世界規格」の5名

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