[J2第35節ジェフユナイテッド千葉2-1ヴァンフォーレ甲府、19日、千葉・フクダ電子アリーナ]

千葉は2-1で甲府に苦しみながらも逆転勝利。ホームに詰めかけた1万2303人の前で4連勝を掴み取った。

この試合で逆転のボレー弾を沈めたFW田中和樹について、千葉の小林慶行(よしゆき)監督は「このリーグにいるべき選手ではなくなってくる」と期待を寄せた。

持ち前のスピードと無尽蔵のスタミナで、両サイドを切り裂き続けた千葉のウインガ―。4-2-3-1の左サイドで先発した前半こそ、相手DFにドリブル突破を阻止される場面は少なくなかったが、田中は後半に覚醒。後半25分から右サイドにポジションを移すと、正確なクロスを武器に相手ゴールへと襲い掛かった。

サイドからチャンスを創出したFW田中和樹(撮影・浅野 凜太郎)

24歳のゴールデンボーイについて指揮官は「相手を必ず困らせる。アスリート能力が高い選手なので、決定的な仕事が加われば一つ上のレベルになってくる選手だと感じていました。数字の部分を積み重ねているので、チームにとって大きな力になってくれている」と称賛した。

昨季J1京都サンガから期限付き移籍を経て、今季から千葉に完全移籍で加入した田中は、ここまで5ゴール7アシストを記録。チームに欠かせない存在となっている。

背番号7は「もっともっと上でやりたい。上のカテゴリーを意識している部分はありますし、今年こそは絶対にJ1昇格という気持ちが強いです」と野心的だ。

撮影・浅野凜太郎

7得点7アシストを今季の目標に掲げながらも、チームのためならば黒子的な役割をいとわない田中。この日の得点は、自らが課した目標の達成を後押しするものだった。

後半41分、FW小森飛絢(ひいろ)がゴール前中央でボールを受けたが、相手DFの執拗(しつよう)なマークに合って足を振り抜けず。エースはシュートモーションを維持したまま左に流れると、クロスを選択し相手DFの意表を突いた。ボールは放物線を描きながら大外で待っていた田中の下へ。背番号7は迷わず左足でダイレクトボレーを突き刺した。

「トラップは1ミリも考えなかった。いま思えば相手がいたので、トラップをしていたらシュートが打てなかったと思います」

背番号7のゴールで逆転に成功したイレブンは、そのまま逃げ切りに成功。今季は終盤に追いつかれる展開が多かった千葉だが、「同じ失敗は繰り返さない」という指揮官の言葉通り、逆転後はコーナーフラッグ付近で時計の針を進めた。

撮影・浅野凜太郎

田中も後半アディショナルタイムに右サイドでボールを受けるシーンがあったが、そのままピッチの角へとドリブルを開始。今季6ゴール目を奪うためのプレーを選択することもできたが、チームの勝利を1番に考えていた。

「自分たちに流れが来ていると思う。全員が練習から100パーセントでやっていますし、それが結果を引き寄せている」とJ1復帰への機運が高まる千葉。

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J2リーグは残り3試合。現在4位の千葉は全勝すればクラブ記録タイの7連勝を飾る。J1復帰に向かって、千葉のラッキーセブンが輝きを放つ。

(取材・文 浅野凜太郎)

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