契約満了となったJリーガーたちが集う『JPFA(日本プロサッカー選手会)トライアウト』が11日、12日に実施された。11日の部に参加したJ2鹿児島ユナイテッドFCを今季で契約満了したMF中原秀人(しゅうと)は、ミニゲームや紅白戦で正確なポジショニングでボールを引き出し、卓越したパスセンスでスカウト陣にアピールした。
九州で名を馳せたゲームメイカー
会場は晴れ晴れとした天気だったが、凍えるような気温の中トライアウトは実施された。「寒い」という声も時折聞こえてきたが、34歳のベテランパサーは短い時間の中でも仲間を鼓舞するなど熱気あふれるプレーを見せた。
「短い時間でしたけど、しっかりと自分の特徴を出すことができたと思います。ボールに絡みながら前線へのパスを供給する部分や、ワンタッチのパスなど一番の特徴を出すことができました」と振り返った。
中原は九州で名を馳せた司令塔であり、J1アビスパ福岡、J3ギラヴァンツ北九州、J2鹿児島でプレーした。クレバーな位置取り、正確無比なパスワークを持ち味にするゲームメイカーは、今回で2回目のトライアウト受験となった。
このトライアウトはドリブル突破などの個人技や身体能力に優れた選手がスカウトにアピールしやすいといわれており、ボールの扱いに長ける司令塔スタイルの選手たちは急増チームで持ち味を出しづらいという。ただ主催者であるJPFAもその点は配慮しており、準備時間が用意されていた。
「話し合う時間が30分くらいあったので、しっかりとコミュニケーションを取れました。難しい部分もありましたけど、コミュニケーションを取れたので、ゲーム中もみんな意欲的にやってくれて僕はすごくやりやすかったです」
経験豊富なベテランにとって僅かな時間でも十分だった。的確なコーチングで選手を動かしながら、持ち味のパスワークをピッチ上で見せていた。