ザスパ群馬で現役を終えた元日本代表MF細貝萌(38)が13日の引退会見で思い出の試合に触れた。
端正な顔立ちとは裏腹に激しいプレーが身上だった細貝。日本における“デュエル”の先駆者的な存在だったが、日本代表では最後まで遠藤保仁と長谷部誠の牙城を崩せなかった。
それでも歓喜に沸いた2011年のアジアカップは、彼の功績抜きには語れないだろう。
現役時代の『記憶に残る試合』を問われた細貝は、この大会の準決勝・韓国戦を挙げている。
「僕はどの試合も覚えていたりするのでアレなんですけど…どこに行っても言われるのは、2011年アジアカップの(本田)圭佑のこぼれを決めたところですね」
宿敵である韓国との激闘は1-1で延長戦へ。日本はその後PKを獲得した。
張り詰めるような緊張感のなか本田のシュートは相手GKに弾かれてしまったが、そこへ颯爽と現れた細貝がこぼれ球を詰めて勝ち越しゴールを決めた。
チームはその後土壇場で同点弾を許したものの、PK戦の末に勝利。決勝ではオーストラリアを退けて4度目の栄冠を手にしている。
「たくさんの方が覚えていてくれて。今の選手たちもそうなんですけど、『あのゴール見てたよ』『見てました』と言われる機会が多い。それも踏まえてあのゴールは特別なゴールだったんだなと自分では思ってます」
日本代表として30試合に出場した細貝は、これが代表での唯一のゴールとなった。
「浦和レッズにいた頃からずっとああいう詰め方でPKのこぼれ球を狙っていました」と明かした彼は、それが大一番で実ったことを以下のように説明した。
「基本的にはああいうゴールはこぼれてこないままサッカー人生を終えるもの。(日頃から)積み重ねていたからこそ大切な時に1度だけ自分のところにこぼれてきたんだと思います。
本当に自分らしいゴールで自分を褒めてあげたいですね」