[日本フットボールリーグ(JFL)第30節栃木シティFC3-0ソニー仙台FC、24日、みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンド]
JFL優勝を果たした栃木シティがソニー仙台を破って有終の美を飾った。相手にボールを多く保持されるも、堅守速攻で圧倒。前半20分に先制し、勢いを切らすことなくソニー仙台を押し込んで3-0と完勝した。この日後半22分に出場したFW田中パウロ淳一は鋭いドリブル、正確なキックで攻撃にアクセントを加えて勝利に貢献した。
途中出場から存在感
後半から途中出場した田中は押し込む栃木シティの起爆剤となった。推進力に優れたドリブル突破、プレースキッカーを任されるほどの高精度キックで攻撃を活性化。背番号77が出場してから勢いを増した栃木シティは、2得点を追加して相手に付け入る隙を与えなかった。
「最初に早い段階で得点を決めたのもありますけど、ソニー仙台さんはつなぐサッカーが得意だから守備でどれだけプレスしてもはまりませんでした。でもプレスを90分間やり続けると、相手もミスが90分間の中で出てきたので、そこを狙って仕留められたことが良かったと思います」
今季リーグトップの総得点66ゴールを稼いだチームは攻守が連動した堅守速攻で勝ち星を重ねてきた。この日も激しいプレスから素早いカウンターへとつなげて相手を圧倒し続けた。今季JFLで猛威を振るった自分たちのサッカーに田中も手応えを得ている。
「僕たちのチームは攻撃陣が点を取れますけど、後ろからの指示や全員で守備をするプレーの勢いを持ったまま攻撃に移れています。僕たちが目立つプレーをできていますけど、それは守備のメンバーたちが支えてくれているからこそ自由にプレーできています。この試合でもそれが出て僕たちは目立ちましたけど、それは全員で守備をして、全員で攻撃する結果がチャンスを作れるきっかけになっていると思います」と胸を張った。
今季は高知ユナイテッドSCが開幕戦から7連勝を挙げて快走を見せるも、栃木シティも第13節から無敗で猛追。第29節でアトレチコ鈴鹿クラブを6-0で破ってリーグ優勝を果たし、来季J3参入を決めた。
「あっという間だったと思いますけど、毎日がすごく濃かったです。僕たちはずっと良かったわけじゃなくて、何回も悔しい思いをして立ち上がって、みんなで乗り越えたことが思い出にあります。悔しいときにみんなで立ち上がれたことが、優勝という結果になったと思います」と、チーム一丸となってつかんだリーグ制覇を誇った。