2023年12月、東京都文京区の東京ドームシティ内にオープンしたJFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」。
そこで、今月15日の日本代表インドネシア戦当日、三井不動産株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社読売新聞東京本社は、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)と協力し、体験型教育ワークショップ『NO AWAY ACADEMY』の取り組みをスタートさせた。
『NO AWAY ACADEMY』は小学4年生~6年生とその両親が参加する、サッカーを通してふだん無意識に抱いている偏見や固定概念に気づき、日常に生かせる新しい視点を、親子で学ぶ講義式ワークショップ。
1回目となる今回は、スペシャル講師として元なでしこジャパンの澤穂希さん、鮫島彩さん、さらには元サッカー日本代表の稲本潤一(南葛SC)が招かれ、海外プレー経験が豊富なサッカー選手ならではのトークを展開した。
身近な問題をテーマに親子で考えるワークショップでは、「ポジティブコーチング」というお題のもと、嬉しかったことや相手を褒めるといったポジティブなことから、自分がされて嫌だったことや相手の直してほしいネガティブなことまで、どのように伝えたら前向きに受け止められるかというテーマで意見を出し合った。
なでしこジャパンとしてともに戦った澤さんと鮫島さん。「初めての海外遠征でとても緊張していた時、飛行機で隣の席だった澤さんがたくさん声をかけてくれて和らぎました。私もこういうふうに気を遣える選手になりたいと思った」と鮫島さんは振り返った。
一方、鮫島さんについて聞かれた澤さんは「自分と真逆で、とても真面目だし、丁寧で、すべてのことに器用で、何でもできる」と、ポジティブな言葉で伝えると、照れる鮫島さん。「逆に真面目じゃないんですか?」と澤さんにつっこむ稲本に、会場から笑いが起こっていた。
また、小学生だけでチームになって議論しあうグループワークでは、「いきなり移籍トレーニング」というお題のもと、全く新しいチームでプレーすることになった際まず何をしたら良いと思うか話し合い、グループごとに発表した。
長きにわたりなでしこジャパンの中心選手としてチームをまとめてきた澤さん。オフ・ザ・ピッチで心掛けていたことを尋ねられると、「とにかく一人一人と向き合ってコミュニケーションをとり、自分の言いたいことをしっかり伝え、相手の意見もしっかり聞くようにしていました。多様な個性を活かしていけるように、その選手の特徴をしっかり出せるように、普段からコミュニケーションを心がけていました」と話していた。
鮫島さんは「澤さんは、いつもポジティブな言葉をかけて皆を盛り上げてくれていました。過去、ドイツ代表戦を前に『今日はドイツに勝てる気がする!』と澤さんが話していたら本当に勝てたのを今でもよく覚えています。」と、2011年の女子ワールドカップ準々決勝での対戦を振り返った。
また、現在も現役選手兼指導者として活躍する稲本は、後輩への声掛けについて「その選手のキャラクター、プレーを考えながら、良いプレーは誉めて、ネガティブなことは言わずに、次に繋げられる声掛けを意識しています」と語っている。
今回、約40組・80名の親子が参加した『NO AWAY ACADEMY』。今後の取り組みにも注目していきたい。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ