松山英樹が、2026年マスターズに日本人唯一の出場選手として臨む。2021年に日本人男性初のメジャーチャンピオンとなったオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、松山にとって競技の場を超えた意味を持つコースだ。その原点は、2011年に19歳のアマチュアとして初出場した際の体験にある。東日本大震災という未曾有の災害直後、出場そのものへの葛藤を抱えながらオーガスタに立った経験が、この大会と松山の関係を特別なものにし続けている。

「今この瞬間も、出場すべきかどうか分からない」

米メディア『Golf Digest』の報道によると、2011年3月11日に東日本大震災が東北地方を直撃した当時、松山はオーストラリアで試合中だった。帰国後には住居が壊滅しており、家族や友人の安否確認もままならず、食料にも事欠く状況だったという。そのような状況で迎えた同年4月5日の記者会見で、松山は重い口調でこう語った。「東北の住民はまだ仮設の避難場所での生活を強いられている。私は東北の出身であり、故郷のそんな厳しい状況を知りながら、今この瞬間もマスターズに出場すべきかどうか分からない。それでも、出場することにした」と述べた。大学やチームメート、両親からの後押しが最終的な決断を促したとされる。結果、松山はアマチュアとして72-73-68-74をマークし、前年王者フィル・ミケルソンと並ぶ27位タイでローアマチュアを獲得。表彰式では「自分のプレーが、困難な状況にある人たちへの励みになれば」と語った。

キャディが一礼した18番グリーン

それから10年後の2021年、松山はオーガスタで悲願を達成する。最終ホールのパットを沈めた直後、キャディの早藤将太がピンフラッグを抜き、帽子を取ってコースに深々と一礼した場面は世界中に拡散し、SNSで数百万回再生された。ゴルフ専門メディア『The Caddie Network』に対し早藤は「感謝の気持ちでいっぱいで、マスターズへの敬意を示すのは自然なことだった。『ありがとうございます』という気持ちだった」と明かした。この一礼について松山自身も、英『Golf Monthly』の取材で「非常に特別なことだった。あれほどの注目を集めるとは思っていなかった。マスターズだけでなく、オーガスタ・ナショナルへの敬意の表れであり、良いことだったと思う」と述べた。また同メディアに対し、「マスターズに出場することは自分にとって非常に特別なことであり、本当に楽しみにしている」とも語っており、この大会への思い入れの深さをにじませている。

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