9月28日夜、第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)の卓球男子シングルス決勝は、中国選手同士の対戦となった。21歳の林詩棟(リン・シドン)が、世界ランキング1位の王楚欽(ワン・チューチン)を4-0で破った。中国のポータルサイト『ソウフー』に掲載された現地ブロガーの記事によると、会場は王が得点するたびに沸き、林の得点では静まり返ったという。その空気は表彰式まで続き、表彰台に立った林にはスタンドから思わぬ言葉が浴びせられた。

観客が表彰台の林詩棟に"一単を打て"と叫ぶ

同記事によると、表彰式では優勝した林の名前が呼ばれても拍手はまばらだったが、準優勝の王の名前が呼ばれると会場は一気に沸いたという。さらに林が表彰台の最上段で金メダルを受け取ろうとしたとき、一部の観客が声をそろえて「林詩棟、一単を打て(林诗栋打一单)」と叫び、笑いが起きた。

「一単」とは、団体戦の第1シングルスのことだ。林は男子団体の決勝で第3シングルスを務め、戸上隼輔に3-1で勝利したものの、中国は日本に2-3で敗れて金メダルを逃した。同記事は、その責任を一部の過激なファンが林に押しつけたと伝えている。国旗掲揚と国歌演奏の厳かな場面はかき乱され、会場側は場内放送で、席を離れず秩序を守るよう何度も観客に呼びかけた。

王楚欽が"陰謀論"による中傷を明かす

画像: 王楚欽が"陰謀論"による中傷を明かす

同記事は、卓球の会場での騒ぎは今回が初めてではないと指摘している。観客がフラッシュやレーザーポインターで陳夢(チェン・ムン)や王曼昱(ワン・マンユー)のプレーを妨害した例もあるという。敗れた王自身も決勝後のインタビューで、今のプレー環境について「昔ほど純粋ではない」と語っている。

今年3月12日のWTTチャンピオンズ重慶の試合後の取材では、チームや選手をめぐって陰謀論を唱え、コーチや選手を中傷する人がいると打ち明けていた。そのうえで、自分も「大きな被害を受けている」と言い切っていた。

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