Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。
ヨーロッパでプレーする日本人をターゲットにした逆輸入補強
私は2019年から、夏と冬にその都度、海外移籍(ヨーロッパ限定)およびJリーグに復帰する逆輸入移籍のリストをまとめている。
今回は移籍結果ではなく、今後起きるであろう逆輸入移籍に先駆けた「逆輸入移籍の候補者リスト」を載せていく。
各Jクラブが補強する可能性のありそうな選手をリストアップしている、この逆輸入候補の選手リスト。毎年作成しているが、半分程度は実現しているため、オフシーズンの補強動向における妄想の際、参考になれば幸いである。
なお、選出基準としては下記いずれかに該当する選手を掲載している。
・所属クラブでスタメン落ちしている
・海外移籍後1年半以上経過しているが日本代表選出外
・現地メディアで退団報道がなされている
逆輸入選手補強リスト
GK高丘陽平(29) バンクーバー・ホワイトキャップス
GK中村航輔(30) 無所属
CB稲村隼翔(23) セルティック
CB小林友希(25) ヤギエロニア・ビャウィストク
CB大南拓磨(27) ルーヴェン
CB吉田麻也(37) ロサンゼルス・ギャラクシー
SB内野貴史(24) ディバ・アル・フジャイラ
SB橋岡大樹(26) スラヴィア・プラハ
SB常本佳吾(27) バーゼル
SB毎熊晟矢(28) AZ
SB山根視来(31) ロサンゼルス・ギャラクシー
MF中井卓大(22) ラージョ・カンタブリア
MF松木玖生(22) サウサンプトン
MF古川陽介(22) ダルムシュタット98
MF三戸舜介(23) スパルタ・ロッテルダム
MF藤本寛也(26) バーミンガム・シティ
MF明本考浩(27) ルーヴェン
MF三好康児(28) ボーフム
MF野津田岳人(31) パトゥム・ユナイテッド
MF田中亜土夢(38) コーテーペー
FW横山歩夢(22) ヘンク
FW勝島新之助(22) ジローナB
FW山田新(25) セルティック
FWオナイウ阿道(30) マクデブルク
FW久保裕也(31) 無所属(FCシンシナティ退団)
FW浅野拓磨(31) マジョルカ
各選手についての考察
リストについて個人的な考察を行いたい。
まずGK中村航輔だが、2025年1月にポルトガル2部のポルティモネンセと契約解除をしている。現地報道では「母国復帰、Jリーグ帰還」と書かれていたが、その後10ヶ月以上経過し未だ無所属のままである。

中村航輔
内野貴史は2024年のパリ五輪にも出場したサイドバック。その後ドイツ2部デュッセルドルフからUAEのクラブへ約2億円の年俸オファーを受けて移籍しており、実力もありまだ若く、有望な選手であるものの、Jクラブからするとかなりの高額年俸であることがネックとなるか。
同じく高額年俸という点では藤本寛也も同様。ポルトガルのジウ・ヴィセンテで10番を背負い、合計5シーズンキャリアを積んだ後、今年夏に古橋亨梧や岩田智輝の同僚として、イングランド・チャンピオンシップのバーミンガムへ移籍した。

藤本寛也
ここまで全くと言っていいほど出場機会が与えられておらず、Jクラブとしては声をかけたくなる存在だが、現在、バーミンガムから支払われている給料は、週給17,500ポンド(約360万円)。年俸にすると1.5億円を超えるためこの額を出せるJクラブはおのずと限られることとなる。
少なくとも、古巣である東京ヴェルディのクラブ予算からすると獲得するのは相当厳しい。
浅野拓磨はこの選手リストの中でも、W杯で結果を残したビッグネーム。ただ、度重なる怪我を抱えていてコンスタントに出場できない不運な状況である。

浅野拓磨
マジョルカのハゴバ・アラサテ監督は「浅野は60分間の選手として分類している」と明言するほど、ハムストリングの怪我再発防止を常に意識しながらの起用としている。
ラ・リーガとJリーグの強度等が異なるとはいえ、Jリーグ復帰後90分フルタイムで走り回れるフィジカルコンディションを期待してはならないのも注意が必要だ。
筆者:中坊
1993年からサッカーのスタジアム観戦を積み重ね、2024年終了時点で997試合現地観戦。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。日本国外の南米・ヨーロッパ・アジアへの現地観戦も行っている。
