「不思議な感覚でした」
古賀は、優勝が決まる可能性がある重要な試合を前に、自身が尊敬する先輩との再会を楽しみにしていた。
対戦相手の町田には、2015年から2018年まで柏でプレーしていた日本代表DF中山雄太が所属している。
同選手は昨季途中にイングランド2部のハダースフィールド・タウンから町田へ移籍したが、Jリーグ帰還以降は負傷の影響などもあり、日立台(三協フロンテア柏スタジアム)でプレーしていなかった。

約7年ぶりに日立台でプレーした中山(写真中央 浅野凜太郎)
アカデミー時代からトップチーム昇格後まで、苦楽をともにした先輩との対戦は、古賀にとって特別だった。
「(中山)雄太くんがどう感じたかわからないですけど、不思議な感覚でしたね。相手として雄太くんと対峙するのは初めてでしたし、やっぱりいい選手だなと思いました」
さらに古賀は、今回が敵として初対戦となった偉大な先輩について「改めて、ああいう存在に近づいていけるような人間になっていかなきゃいけない」と語り、「リスペクトしつつ、追い越せるように頑張りたい」と目標を掲げた。
今季はリーグ戦2位に終わった柏だが、背番号4はこの日の悔しさを糧に、来季こそは必ず優勝を成し遂げたいと意気込む。

身体を張った守備で柏の勝利に貢献した古賀(写真左 浅野凜太郎)
「強いレイソルを取り戻すために、タイトルは必要だと思います。そこを逃した部分は悔しさが残りますが、ピッチで表現してきたものに間違いはない。見ている皆さんの反応を見ても、『美しいサッカーをしてくれている』と言ってくましたし、そこはもう一回強いレイソルを取り戻すためのきっかけになるような年にできたのかなと思っています」
悔しさと手応えを胸に刻んだ柏の背番号4は来季こそ頂点に立つために、さらに進化した姿を示す覚悟だ。
(取材・文 縄手猟、写真 浅野凜太郎)
