プロサッカー選手としての経験は、ビジネスの世界でも生かせる。
現役時代はジェフユナイテッド千葉やFC東京、ヴァンフォーレ甲府で活躍し、2017年に千葉で引退した元日本代表の羽生直剛さん。特に千葉時代は、2022年5月に亡くなったイビチャ・オシム監督らの指導を受け、2005年と2006年にJリーグヤマザキナビスコカップ(現・JリーグYBCルヴァンカップ)を連覇した。
その後、FC東京で強化部スカウト担当を2年間経験し、2020年2月1日に『株式会社Ambition22』(以下:Ambition22)を立ち上げた。
サッカー界からビジネスの世界に飛び込んだ羽生さんは、「オシムさんの考え方を、もっといろいろな人に知ってほしい」と様々な活動に力を注いでいる。

ジェフユナイテッド千葉で勝利を喜ぶ羽生さん(ⓒGettyImages)
引退後に自問自答して消去法で起業
――羽生さんは現在、Ambition22で代表取締役、最高経営責任者を務めています。どのような事業を手がけているのでしょうか。
「主に一般企業を対象に、組織構築や人材育成の研修・コンサルティングを行っています。オシムさんが実践していた組織構築の思想は、サッカーという枠を超えて、企業経営やチームマネジメントにも生かせるものだと考えていて、その考え方を企業向けに落とし込むことを主な事業としています」
ーーどのような経緯で起業したのですか。
「ある意味、消去法で起業したみたいな感じですかね…」

(写真:本人提供)
――といいますと。
「僕は現役引退後の2019年にオシムさんに会いに行っているんですけど、そこで『もっと上を見ろ。空は果てしない』と言ってもらいました。当時の僕はFC東京でスカウトをやっていて、それが僕としては初めての社会人というか、会社やビジネスを理解できた機会でした。でもその中でオシムさんが日ごろから言っていたチャレンジとか、野心のことを考えたときに、『はたしてこの働き方って自分の中で一番チャレンジしているのかな』と疑問に思いました。
そして自問自答を繰り返していく中で、正直『こんなビジネスがしたい!』というのはなかったけど、個人的に結んでもらっていた業務委託みたいなものを、そのまま会社との契約にして、自分で独立してやり始めた感じですね」
ーーサッカーの世界からビジネスの世界に行くことはチャレンジだっと思います。
「2017年にジェフで引退したときに、そのままジェフのフロントに入るお話もありました。でも、その年にジェフへ戻って来た自分は2年契約だったんですけど、1年目からケガでほとんどサッカーができなかった。
だから、まともに練習もできない自分がチームに残っても迷惑をかけるだけだと思って、引退を決めましたが、愛着のあるジェフに対して『フロントに入るために帰ってきた』みたいになるのは嫌でした。そこでスカウトの話をいただいていたFC東京に行かせていただきました」
