広島東洋カープを支えた名選手たちが過去のエピソードを振り返る 「赤き球団の魂」の発売を記念したトークイベントが開催され、著者の髙橋慶彦さんが昭和のチームで起きた信じられないエピソードや、ご自身の本音を赤裸々に明かした。

「これがバッティングなんだ」と理解できた山内一弘コーチとの出会い

画像: 筆者撮影

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高橋さんの広島時代のチームメイトとのエピソードなどで会場を盛り上がったイベントは、会場にいらしたファンからの質問を受ける流れに。すると、1982年に打撃フォームを変更した件についての話題に及んだ

「1978年にレギュラーを掴むと、翌年には33試合連続安打の日本記録を打ち立てて、1980年まで3年連続で3割を打つことができたんですけど、1981年は少し成績を落としてしまったんです。

『もっと打撃面で成長しなきゃいけない』と感じていた僕は、1982年春のキャンプに、たまたま臨時コーチとして来られた山内一弘さんに、思い切って僕の打撃について意見を問うてみたんですよ。

すると山内さんは『思い切って打撃フォームを変えてみよう』と提案してくれて、僕もレベルアップのためにそれを受け入れ、思い切って打撃改造に踏み切ることにしたんです。

山内さんは『ボールが来たら反射的にバットが出ないといけない。考えている暇はないんや!』と僕に教えてくれて、そこから練習を重ねて、ボールに力が伝わり、ボールを遠くに飛ばせるようなスイングを身につけたんです。1982年は24本塁打を放っていますが、これは山内さんのおかげだと思っていますし、自分自身も山内さんとの出会いによって、『これがバッティングなんだ』と理解できたような感覚がありました。

(「スイッチヒッター」に転向し、レギュラーを手にするきっかけを作ってくれた)山本一義さんや寺岡孝さんとの出会いもありましたけど、山内さんに教えていただいたことは、現役時代はもちろん、僕がコーチをやらせていただいた際にも本当に役立ちましたし、本当に感謝しています」

大谷翔平から見える、かつて目指していた打撃との共通点

画像: 肩の使い方やバットの回転について、思いの籠った解説をする高橋氏。筆者撮影

肩の使い方やバットの回転について、思いの籠った解説をする高橋氏。筆者撮影

続けて高橋さんの饒舌なトークは、現役選手の話題に及んだ。

「MLBでプレーしている大谷選手の打撃を見ていると、山内さんが教えてくれたことを実践しているように感じることが多々あって。もし、野球をされている学生さんがいらっしゃるようでしたら、『投手のボールに連動させてバットが出るように、身体を動かすことを意識しながら練習に励んでもらいたいですね」

そして、自身と大谷翔平選手の打撃における共通点についても、こう続けた。

「最近とあるニュースを見ていて、大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)のスイングを『アッパースイングだ』と話していた方がいらしたんですけど、それは間違っていて、大谷選手は『レベルスイング』で打席に立っているんです。打席でスイングするにつれて、だんだん肩が開いてきてしまう選手もいますが、彼の場合は、ボールに対して水平にバットを回転させることが上手で、ボールの軌道に合わせて肩を回し、ボールの軌道に合わせたレベルスイングができる選手なんです」

かつて現役時代の僕も、山内さんから「打ちにいってもタイミングが間に合わない時は、肘の力を抜いて、芯をずらして打つように……」と教えてもらって。困った時には、なんとかヒットに繋げるように心がけて打席に立っていました。

MLBでプレーしている大谷選手の打撃を見ていると、山内さんが教えてくれたことを彼も実践しているように感じることがあって、その度に僕の現役時代を思い出します」

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