2014年ブラジルW杯(期待度 高・GL敗退)
南アフリカW杯での戦前予想を覆す大健闘で、日本国内において一気にサッカー熱が盛り返し、ACミラン本田圭佑・マンチェスターU香川真司・インテル長友佑都というビッグクラブ所属選手達を擁するチーム編成もあり、期待度は過去最高だった。
アルベルト・ザッケローニ監督が率いたこのチームはカタール開催2011年のアジアカップでも優勝、親善試合でもアルゼンチンやベルギーを下すなど、結果も出していた。
が、W杯に挑む前のコンディション調整に大失敗し、1分2敗という期待を裏切る残念な結果に終わる。
今振り返ってもこのメンバーで結果を出せなかったのが残念なのだが、これは南アフリカW杯と真逆である「期待度や前評判は高かったが、W杯で結果残せなかった」最たる事例と言える。
2018年ロシアW杯(期待度 低・ベスト16)
ブラジルW杯での惨敗、2015年アジアカップでもベスト8敗退からのハビエル・アギーレ監督解任、後継のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は選手のクーデターのような形でW杯直前で解任となり、西野朗監督で挑むことに。
二度の監督交代かつ直前の電撃解任でJFA田嶋幸三会長へ強烈なバッシングが吹き荒れる等々、最悪の状況で挑むW杯。チームスカッド以前に、取り巻く環境が過去最悪のため期待度は低かった。
にもかかわらず、初戦のコロンビア戦で4年前の雪辱を果たす勝利から始まり、最終戦のポーランド戦で世紀の談合試合を成し遂げつつ、なんとGLを突破してしまう。(ここで自分は「あれ?日本代表って、前評判低いほうが結果残すな??」と気付き始めた。)
2022年カタールW杯(期待度 低・ベスト16)
この大会は日本代表の実力云々というよりも、とてつもなく厳しいグループに組み込まれたことが全てだった。
優勝経験のあるスペイン、ドイツと同組。この2国を押しのけてのGL突破はほぼ不可能と思われていたため、期待度は “低”。
しかしそんな2国に対して逆転勝利をしてしまうのだから、前評判は本当に当てにならない…。さらにいえばこの2国には勝てたのにコスタリカに負けたあたりもわからない…。
前回大会に引き続き、またも期待度が低いのに結果を残す日本代表の姿を見せてくれた。
期待値ギャップの考察
さて、ここまで過去7回のW杯の振り返りをしたわけだが、何故、このようなギャップが生まれるのか?
様々な理由が推測できると思う。
「メディア等の外部から見た状況と、チームの内情は異なっていた」
「どん底のチーム状況、だからこそチーム一丸となった」
「海外ビッグクラブ所属という肩書だけで期待値は上がっていたものの、W杯開催までに疲労蓄積、または、出場機会を得られずコンディション調整に失敗した」
「W杯前に好成績を残したがゆえに、対戦相手側がかなり綿密に日本代表対策を練った」
この最後の理由について、逆だったのがカタールW杯。
キックオフ直前のロッカールームで円陣を組んだ際、キャプテン・吉田麻也はこう叫んだ。
「ドイツは俺らに負けるなんて一ミリも思ってないぞ。絶対、隙はある」
ドイツ側は弱小国の日本相手なら、本来の実力を出せばたやすく勝てる、まさか負けるわけはないと思っていただろう。(しかも試合後、ドイツ国内で騒がれていたのが、キックオフ直前にホスト国カタールに対する労働環境問題提起のジェスチャーをドイツ代表イレブンが行ったこと。しかも、このジェスチャーをする・しないでドイツ代表内でも意見が割れていたことが発覚。目の前の試合に集中仕切れていない、とドイツメディアから選手達は酷評されていた)
その雰囲気があったせいと断言まではしないが、圧倒的不利とみられていた日本が勝ち、ドイツが負けた。しかし、今回のW杯では日本は相手から研究し尽くされる側となる。弱小国から中堅国へとステージが変わったことにより、その難しさが出てくる。
アメリカ・メキシコ・カナダW杯での展望
この後は今回のW杯における、日本代表の展望について述べていく。
前述のジンクスを踏まえてしまうと、今回のW杯の予想としては「期待度 高・ベスト32」という形になるおそれがある。
日本代表はW杯に挑むメンバーを振り返ると毎回毎回着実にレベルアップし、個の力を確実に付けてきている。「前回大会の方が良いメンバーだった」というのは基本的にはなく、常に歴代最強メンバーを更新し続けていると自分は認識している。
主力選手達のケガが相次いでいるが、それでも、今回もまさに胸を張って「歴代最強」と言えるメンバーであり、「目標は優勝」と選手達も公言している。
こうなると心配なのはこのタイトル通りの不思議なジンクスだ。期待度が低い時は意に反して結果を残す、しかし、期待度が高い時は結果を残せない。
対戦相手はオランダ、チュニジア、スウェーデン。そしてGL突破した場合のベスト32で対戦相手はブラジルかモロッコ。
今までのジンクスを受け継いでしまった場合、「今度こそベスト16の壁を突破し、ベスト8進出を成し遂げる」というメディア・世間からの期待を達成できず、GL突破はするものの、目標からを達成できずベスト32どまりになるのではないかという嫌な予感。
もちろん、杞憂に終わってほしい。
過去の日本代表の戦績を打ち破れるか、「期待度 高・ベスト8」という見事な結果を出すのか、それこそ「新しい景色」に到達できるのか…。期待している。
筆者:中坊(中坊コラム)
1993年からサッカーのスタジアム観戦を積み重ね、2025年終了時点で1,029試合現地観戦。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。日本国外の南米・ヨーロッパ・アジアへの現地観戦も行っている。
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