2023年・24年のJリーグを連覇、百年構想リーグも優勝を果たすなど、近年目覚ましい躍進を遂げているヴィッセル神戸。

2003年末の三木谷浩史氏(楽天グループ創設者)によるオーナー就任後、豊富な資金力を生かした「補強」が都度話題となるヴィッセル。その対象は有力選手獲得といったソフト面だけでなく、「三木谷ハウス」をはじめとしたハード面にも及ぶ。

「世界に誇れるスポーツクラブの創造」をスローガンのひとつに掲げている中で、2026年春に、練習拠点であるいぶきの森球技場内に「Vissel Performance Center(以下VPC)」を新設した。

機材を提供したのが「ジョンソンヘルステックジャパン」。Qolyでは、VPCにおける同社の狙いや、ヴィッセル神戸とのパートナーシップについてなど、担当者に話を聞いた。

創業50年を迎えた台湾拠点のグローバルフィットネスメーカー

今回取材に応じていただいたのが、ジョンソンヘルステックジャパンで営業本部長をつとめる池部慎二氏と、マーケティング担当の近藤壮太氏。

池部氏はVPC竣工式にも参加し、当日はミヒャエル・スキッベ監督の隣でテープカットを行った。近藤氏は元トレーナーの経験を活かして、製品に関するマーケティング業務を担っている。

画像1: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパンは2004年に設立され、グループ会社には、日本で初めてマッサージチェアを開発したことで知られるフジ医療器がある。

同社では、エニタイムフィットネスなど日本国内の主要なフィットネスジムや、学校などの教育機関、会社の社員寮、ホテル等の宿泊施設、官公庁や自衛隊など、幅広い領域の事業者をクライアントに持つ。

親会社となるジョンソンヘルステックは、1975年に創業で昨年50周年を迎えた。日本も含めたグローバル展開をしていく中で、台湾はカンパニー本部があり、さらに主力ブランドである「MATRIX(マトリックス)」は、アメリカに開発拠点を置いている。

MATRIXは、主にランニングマシンやストレングス機材を展開。VPC内でも「MATRIX」ロゴが随所に配置されている。

画像2: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

画像3: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

トッププロからの忌憚ないフィードバック求む

今回スポンサードという形で、ジョンソンヘルステックジャパンはVPCに全面協力。施設内の機材は、ヴィッセル側の要望に応じた機材を用意した。

同社では以前にもプロスポーツチームとの協業実績や、代理店を通じた機材の提供などを行っている。しかし、他社製品と混じっての展開ということも往々にしてあったそうだ。

その中で、ヴィッセル神戸との連携は、社をあげた一大プロジェクトとなる。2025年10月にパートナーシップ契約を締結し、2026年からは、練習用ウェアにMATRIXロゴを掲出している。

画像4: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

そして新たな取り組みとなるのが「VPC」だ。

狙いとしては、露出に加えて「『ヴィッセル神戸』様という、日本のトッププロクラブに所属する選手の皆様から、忌憚のない意見(フィードバック)をいただきたいというのもありますね」と池部氏は語る。

ジョンソンヘルステック自体は、海外のプロスポーツクラブからも広く採用されており、世界に名だたるフィットネスブランドとしての地位を確立している。

ヴィッセル神戸側としても、千布社長が以前欧州を視察した際に、充実したフィットネスルームが整備されているのを目にし、必要性を感じていたそうだ。ニーズとノウハウが合致したコラボともいえよう。

画像5: ジョンソンヘルステックジャパン提供

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我々はジムを作ったわけではない

竣工式当日は多くのメディアからの取材や、いぶきの森球技場がある神戸市西区の豊永区長も主賓として来場するなど、各方面から注目を集めた。なお、VPCの機材に関しては、神戸市側が保有者になるとのこと。

「元々『パワーラックが少なくて待ち時間が長い』という声があったので、3台設置しました。他にはスミスマシンを1台と、スクワット系ができるものも多く置いています。もちろん鏡も設置していて、“最低限”のものは全部やっています。

ただ、パワーラックを多くすると、他を置くスペースがなくなってしまうんです。トレーナー様側からは、サッカーというのは『身体を大きくすればいい』わけでなく、『まずパフォーマンス(向上)に』という要望をいただきました。

トレーニングの方向性については、『ストレングスマシン』といった軌道が決められたものより、『フリーウェイト』と呼ばれる自由度の高いものを取り揃えました。アスリートの方々は身体の使い方もプロフェッショナルですので、今回『ファンクショナルトレーニング』と呼ばれる、機能的に動きの改善ができるアイテムを多く入れて、芝生エリアでもできることを意識しています(近藤氏)」

「“筋肉ムキムキ”になるより、やはり年間通して戦い抜けることができるメニューを、当時のトレーナー様と相談してのものになります。(竣工式当日も)選手の皆様に早速お使いいただいて、バイクを乗りながらフィールド(いぶきの森)を見て、『この景色いいよね』と会話されていましたね(池部氏)」

画像6: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

画像7: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

「『(ヴィッセル)パフォーマンスセンター』なので、芝生を上手く活用していくことも意識しています。なので我々もジムを作ったという感覚はないですね(近藤氏)」

画像8: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

これで終わりではない

今回取材を敢行したのは4月上旬であったが、先述の通り百年構想リーグも閉幕し、ヴィッセル神戸が見事優勝を果たした。今後は、「秋春制」となる新レギュレーションでのシーズン開幕に向けた“アレンジ”もされていくだろう。

「我々としては、これで終わりとは思っていません。選手やトレーナーの皆様からのフィードバックをいただきながら、随時より良いものを入れられるように、できる限りの対応をしていきます(近藤氏)」

「当日の囲み取材では『なんで御社がこういうことをするんですか?』といったことを聞かれましたが、我々のようなマシンを納めるメーカーとしては、プロスポーツ選手が1年間戦い抜く上でのコンディショニングのニーズにどれだけマッチしているか、率直なフィードバックをいただきたいと考えています。そのための忌憚ないコメントはぜひいただきたいと、千布社長にもお伝えしています。今回のパートナーシップは、マーケティングやブランディング面も当然ありますけども、お互いがウィンウィンになれるような関係でいきたいですね(池部氏)」

画像9: ジョンソンヘルステックジャパン提供

ジョンソンヘルステックジャパン提供

今後はヴィッセルとのコラボも進めていくといい、在阪メディア番組では、「OBの面白い方(近藤岳登氏)」が出演して施設紹介された。

マシンと室内トレーニングが同時に行える施設という、日本のプロスポーツにおいては珍しい事例を、スポンサードという形で実現したジョンソンヘルステックジャパン。このタッグを機に、お互いが高みを目指していければと考える。

「世界でも最大手に入るフィットネスマシンメーカーと自負しておりますので、日本においても様々な分野で、皆様の日々の『健康』に寄り添える企業でありたいと考えております。プロスポーツに関しても、こうやってご縁をいただいたので、私共の本領発揮ができるようにしてまいります(池部氏)」

「今回ヴィッセル神戸さんという素晴らしいチームと関係性を作らせていただいたので、プロの方の厳しい目線のフィードバックを製品の方にも生かしていきたいです。ブランドメッセージなどにも繋げていけたらと思います(近藤氏)」

取材・執筆:向山純平

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