Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。

「カップ戦優勝でユニフォームに星をつけていいのか」→「いいでしょ」

小タイトルで既に自分の考えと結論を書いてしまっているのだが、Jリーグ各クラブの新ユニフォームが発表される度に、この論争が巻き起こる。

つまり、

「ユニフォームにつけるタイトル数を表す星は、リーグ優勝に限るべきだ」
「いや、リーグタイトルに限定せず、全てのタイトルは等しく付けるべきだ」
「この制度については各クラブがバラバラの運用をするのではなく、Jリーグ側が統一すべきだ」

という各クラブサポーター達の議論だ。

個人的な考えとしては、「誰に迷惑かけているわけでもないし、各クラブで好きにせぇ」である。

でも一方で、議論をする人達の気持ちもよくわかるので、どういった問題点があるのか、どの点で整合性がとれていないのか、というポイントを整理しつつ解説していきたい。

各タイトルに分けて解説していく。

絶対に荒れる議論ではあるし、正解もない。そもそも自分はどちらでもええやろ派ではあるが、かなり長くなる議論なのであえて整理のため記載してみたい。

「サッカーファンはユニフォームに付ける星一つでここまで真剣に、目を血走らせて議論をするのか~~~」と、あまり深くハマっていないファンの方々はこれを読んでまた一歩ドン引きしてくれれば幸いである。

1.リーグ

まず、J1リーグ優勝で星を付けることは皆、全く異論がないと思う。リーグ優勝を成し遂げたクラブのうち、全てのクラブがリーグ優勝でユニフォームに星を付けている。

しかし、J2優勝で付けるのはいいのか?という議論がある。

具体例で言うと、湘南ベルマーレはJ2優勝した際にユニフォームへ星を付けた。

この場合、何が問題なのか。

J2優勝は確かに一つの結果である。ただそれはあくまでJ1でのタイトル獲得までの通過点であり、そこを誇らしく星を付けて良いのか?という論点だ。

それこそ、J1⇔J2の昇降格を繰り返すエレベータークラブ(不名誉な称号だ)が星を積み重ねることとなってしまう。果たして、そのJ2優勝の星だらけユニフォームは誇らしいものなのだろうか?という観点がある。

さすがに、J1優勝の星を並べている鹿島や横浜F・マリノスとJ2優勝の星は同格ではない。(なお、後に湘南側は星を変更。J2優勝した際の星を無くし、1994年天皇杯、1996年アジアカップウィナーズカップ、2018年ルヴァンカップの優勝に限定して星をつけた)

また、J2ではなくJ1でも物議を醸した事例がある。2004年2ndステージ優勝で浦和が星を付けたのだ。これは当時、かなり物議を醸した。

・この年、年間優勝はチャンピオンシップで横浜F・マリノスにPK戦の末に逃した
・年間優勝のタイトルは掴めなかったにもかかわらず、ステージ優勝だけで星を付けた
・2003年のナビスコカップ(当時)で浦和が優勝した際は星を付けなかった
・ナビスコカップ優勝よりステージ優勝の方が、価値があるとして星を付けた

こういった他サポーターからの指摘や批判に対し、浦和サポーター側の反論は主に以下の2点だった。

・Jリーグ側で、星を付ける基準は明確化されていない。付ける・付けないは自由
・クラブ側は「ステージ優勝として星を付けた」と明言しているが、一部サポーター側は「年間最多勝ち点の証」という解釈をしているので納得している

またこの反論に対しても、

「星を付けるのは各クラブの自由とはいえ、過去のステージ優勝で鹿島や広島は星を付けていないし、そんな星を付けているのは浦和だけ」
「年間最多勝ち点は事実だが、同じく2000年の柏等も2004年浦和と同様に、“年間最多勝ち点獲得も年間優勝を逃す”という状況で星を付けていない。年間最多勝ち点で星を付けているのは浦和だけ」

と、また紛糾することとなったのを覚えている。

さすがに無理筋だと自覚したのか、浦和側はこの2004年2ndステージ優勝の星は無くし、今ではACL優勝とリーグ優勝のみの星を付けている。

また、2016年の「年間最多勝ち点を獲得したが、優勝できなかったシーズン」でも星を付けていない。

個人的には、前述のJ2優勝で星をつけた湘南同様、当時の浦和フロントがやらかしてしまい、刷新されたフロント陣で過去の変な解釈を訂正した、という形と認識している。

2.ルヴァンカップ

「星を付けるのはリーグ優勝かアジアタイトルのみ」原理主義の人達からすると、カップ戦優勝で星を付けるのはNGであり、御法度という認識だ。

その根拠としてはシンプルに以下の通り。

カップ戦優勝は「CUP WINNER」である。

リーグ戦優勝は「CHAMPION」である。

両者は明確に異なり、ユニフォームに付ける星は「CHAMPION」の時だけ付けられる、という理論だ。

(では、なぜカップ戦であるACLで優勝したら星を付けて良いのか?という疑問もでるだろうが、ACLは「AFC CHAMPIONS LEAGUE」なので、各国CHAMPIONが集まったリーグ戦であるから、通常の国内カップ戦とは異なる、という解釈だ。)

また、上記解釈以外の補足をするならば、ルヴァンカップは常にレギュレーションが変わる大会だ。

年によってグループリーグ開催もあれば、全て一発勝負のトーナメント開催の場合もある。

育成年代の選手を起用しなければならない等、出場選手の縛りも存在し、かなり実験的な部分も含んだ大会であるため、大会の価値として「一段落ちる」と認識する人自体は一定数存在する。

さらに言えば、海外サッカーも見てる人ならわかると思うが、カップ戦自体が廃止になる可能性もある。近年でもフランスでカップ戦のクープ・デゥ・ラ・リーグが廃止された(もう一つの国内カップ戦クープ・デゥ・フランスは残存)。

さすがにリーグ戦は廃止にならないが、カップ戦は廃止の可能性があるため、その場合、ユニフォームに過去のカップ戦優勝の星を残し続けるのか、という議論もある。

そういった上記の諸々を踏まえると、「星を付けるのはリーグ優勝かアジアタイトルのみ」という原理主義に行き着くのも一定程度理解はできる。

この考えで通している主なクラブは、横浜F・マリノス、FC東京、清水エスパルスだ。

F・マリノスはリーグ優勝時の星しか付けていないし、FC東京はルヴァンカップ(+ナビスコカップ)、天皇杯を制しているが星を付けていない。清水はルヴァンカップ(+ナビスコカップ)、天皇杯、アジアカップウィナーズカップを制しているが星を付けていない。

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