マルコス・アクーニャ
今回外れた選手たちの中で、最も感情を揺さぶるのがマルコス・アクーニャの落選かもしれない。彼はアルゼンチンの黄金時代において単なる控え選手ではなかった。信頼される男であり、世界王者の一員であり、チームに攻撃性、激しさ、そしてバランスをもたらした左サイドの功労者だった。
絶頂期のアクーニャは、強度、経験、守備の鋭さ、そしてSBとWBの両方をこなす汎用性を完璧に備えていた。しかし2026年に向けた判断は、実績と同じくらい身体的なコンディションが重視されたようだ。
『Reuters』はフィットネスの問題で外れたと報じており、ハムストリングの負傷がそれを導いてしまったようだ。26人に限られる枠において、完全に計算できない左SBを抱える余裕はなかったともいえる。
フランコ・マスタントゥオーノ

(C)Getty Images
昨夏レアル・マドリーへ移籍した18歳の神童。ジダンとも比較されるその才能も、マドリーでの1年目は苦難の連続だった。リーグ戦23試合でわずか1ゴールに終わり、チームの不協和音の煽りを受ける形となった。
アルゼンチン代表の公式戦における史上最年少デビュー記録も塗り替えており、そのポテンシャルは疑いようがない。アルゼンチンとスペイン両国の報道によれば、スカローニ監督は彼の巨大な潜在能力を認めつつも、メンバー外にする決断を下したという。
左利きの右ウィンガーである彼は、キレのあるドリブルと創造性、そしてセットプレーの質を兼ね備えている。だが、現在のアルゼンチンにはアタッカーやクリエイティブなタレントが豊富に揃っている。今回のワールドカップは次世代を育てる場ではなく、あくまで「タイトルを防衛する場」だった。
彼の落選は、彼の限界を物語るものではなく、あくまでタイミングの問題だろう。彼のアルゼンチン代表としての物語はまだ始まったばかりだ。
※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。
筆者:石井彰(編集部)