16年前に行われた南アフリカでのワールドカップにおいて象徴的な役割を果たした楽器が、今回の大会では「会場への持ち込みが禁止される」ことになったという。
大会を主催しているFIFA(国際サッカー連盟)は、次なるワールドカップに向けてスタジアムの“音”を遮断することを決めたようで、チケット購入者に向けての声明において「ブブゼラの持ち込みを禁止する」と通達した。
南アフリカ大会からしばらくの間、サッカーのサポーターにとっての定番アイテムとなったブブゼラだが、その耳をつんざくような独特の騒音は長年にわたって賛否両論を巻き起こしてきた。
ブブゼラは1メートルほどの長さがあるプラスチック製のラッパのような楽器で、南アフリカにおいてのサッカー応援には欠かせないものだったが、その一方で非常に大きな音量が出ることによって放送や周辺環境への悪影響も深刻だった。
そのために2010年ワールドカップから数年が経過したところでブームは完全に終了。販売が好調だった時に中国企業の安価な製品が大量に入ったため、南アフリカ国内の生産業者も価格競争で敗れたことで淘汰されており、生産も控えられるようになった。
そしてUEFA(欧州サッカー連盟)の主催大会ではすでに禁止されていたブブゼラは、今回FIFAの大会でも締め出されることになり、ついにその存在を否定されるほどの「邪魔者扱い」となってしまったようだ。
ただ、ブブゼラは一方で「象避け」としての利用が広がっているとも伝えられている。象は大きな音を嫌う習性があるため、アフリカ各地の街で「人里に近づいてきた象を追い払うために吹く」という活用方法が広がっているとか。
サッカーにおいてはすでに「終わった製品」となっているブブゼラ。しかしアフリカ各地で「生活のためのアイテム」として生まれ変わり、使われなくなった製品の活用が進んでいるそうだ。
筆者:石井彰(編集部)
