ワールドカップ開幕目前、アメリカでのビザ発給問題が国際的な波紋を広げている。
イギリスのメディア『The Canary』は、北米3カ国で行われるワールドカップについてのコラム記事を掲載した。
記事によると、国際スポーツプレス協会(AIPS)がFIFAに対し、イランを含む西アジア諸国やアフリカ諸国出身の多くのジャーナリストがアメリカ取材ビザを拒否されるケースや、単一入国ビザしか与えられないという問題を正式に警告したと伝えた。
大会はアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で開催されるため、複数の試合を取材するためには複数入国ビザが必要だ。しかし、現状は特定の地域のジャーナリストにビザが下りないケースが頻発しており、同メディアはトランプ政権下の厳格な移民政策が影響していると指摘。
ビザ取得厳格化の対象国には大会出場国も多く含まれており、ジャーナリストがチームを追跡取材できなくなる恐れがあるとしている。
FIFAは「入国は各国政府の問題」と責任を回避する姿勢を示しているが、『The Canary』はこれを「世界を締め出す行為」だと非難。史上最も包括的な大会をうたう一方で、言論の自由が問われる事態だと警鐘を鳴らしている。
『The Canary』は2015年に設立されたイギリスの左派系独立メディアで、権力監視や社会正義を重視する立場から、独自の視点で報道を展開している。
同メディアがこのようにアメリカでのW杯を批判している背景には、開催国の政策が大会の精神を損なうとの強い懸念があるようだ。
筆者:江島耕太郎(編集部)
