ワールドカップの舞台裏で、開催都市の価値観を巡る議論が注目を集めている。
アメリカ・ワシントン州シアトルで26日に開催される北中米ワールドカップのエジプト対イラン戦は、「プライドマッチ」として実施される。
このプライドマッチは、LGBTQコミュニティへの連帯や多様性の尊重を発信する取り組みで、シアトル市が独自に企画したものだ。
しかし、対戦するエジプトとイランはいずれも厳格なイスラム教国で、同性愛に厳しい法制度や社会的価値観を持つ国として知られている。
イギリスメディア『ロイター通信』は現地時間24日、エジプトサッカー協会はFIFAに対してプライド関連イベントの中止を求め、イラン側も異議を申し立てたと報じた。
同メディアによると、それでも開催都市であるシアトルは方針を変えず、プライドマッチを実施する考えを示している。
地元ワールドカップ組織委員会のヘダ・マクレンドン氏は、「ワールドカップは数週間で終わるが、シアトルのプライドイベントは50年以上続いてきた」と説明。ワールドカップの有無にかかわらず、地域社会の価値観を発信するイベントとして継続する姿勢を強調した。
また、地元LGBTQコミュニティからは、この試合を社会的な変化を促す機会と捉える声も上がっている。
地元クラブ関係者のジョン・ケアンズ氏は、1936年ベルリン五輪のジェシー・オーエンスや1968年メキシコ五輪での抗議行動を例に挙げ、国際スポーツには大きな社会的影響力があると指摘した。
2022年カタール大会でもLGBTQを巡る議論が大きな話題となったが、今回のシアトルでもサッカーと社会問題の関係が改めて注目を集めている。
筆者:江島耕太郎(編集部)
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