Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。
日本代表の敗戦理由は怪我人だけなのか
2026年アメリカ・メキシコ・カナダW杯において日本代表は決勝トーナメント1回戦でブラジルに敗れ、ベスト32で終わった。
敗因について専門家だけでなくサッカーファンも色々と述べているが、その中で少し気になったのは「これだけ怪我人がいたら勝てるわけない」「怪我人の多さが敗因の全て」という論調が見られることだ。
これについては、明確に否定しておきたい。確かに敗因の一つの理由にはなるが、それだけを敗戦理由にすると本質を見誤るので、解説していく。
日本は今回のW杯において南野拓実、三笘薫、遠藤航、町田浩樹、久保建英の主力5名を大会前または大会中に怪我で欠いた。過去のW杯を振り返っても日本としては最大の怪我人数である。
三笘や久保といった攻撃面で違いを生み出せる選手を欠いたのはチームにとって本当に痛かったし、極めて残念だった。もし彼らがいたらもっと上を目指せたと思う。
だが、ブラジルもハフィーニャ、ロドリゴ、エステヴァン、ミリトン、ウェズレイを怪我で欠いている。また、グループステージ(GS)で対戦し、1位通過したオランダもユリエン・ティンバー、マタイス・デ・リフト、シャビ・シモンズを怪我で欠いている。
つまり、怪我人の多さは日本代表だけではない。対戦相手も多くの怪我人を出しているにも関わらず勝ち抜いてきている。
そのことを認識せず、あたかも「日本だけが運がない」「怪我人が多くいたせい」と嘆くのは視野が狭い。「日本だけが怪我人出ていて、対戦相手は怪我人なくフルメンバーを揃えられている」という状況ではないからだ。日本は確かに不運だったが、他の国も同様に不運だった。
日本は次回以降のW杯にて今回同様、もしくはそれ以上に怪我人が出ていても勝てるくらいまで質と層を高めないといけない。
今後のW杯における怪我人展望
これは予想となるのだが、今回日本は5人怪我人で主力離脱となったものの、次回以降さらに怪我人は出てくると思われる。
理由として、ヨーロッパの各国リーグは過密日程が凄まじく、ビッグクラブ所属の選手達は中2日、中3日の連戦や海外遠征が組み込まれている。それにより怪我が絶えず、最悪のパターンだと靱帯断裂等の長期離脱も起きている。
日本人選手も昔と比べJリーグクラブ所属選手と海外組選手の比率が逆転し、今ではほぼ全員がヨーロッパクラブ所属だ。また、昔のように単にジャパンマネーで所属しているような選手ではなく、実力を認められてビッグクラブに所属や、中堅クラブでもクラブの中で欠かせない主力として活躍している。
そうなると、過密日程の影響は避けられず、W杯前に疲労蓄積による怪我は絶対に複数名発生する。
日本代表の敗戦理由を怪我人「だけ」にする見方だと、いつまでたってもW杯で勝ちあがれない際に今回と同じく「怪我人がこれだけいたら勝てない」と述べる未来が待っている。
怪我人が複数出ても、今回のオランダやブラジルのようにGSの1位通過やベスト32を突破する実力を持てるくらい、選手の質を高め、層を厚くすることが今後の目標となる。
筆者:中坊(中坊コラム)
1993年からサッカーのスタジアム観戦を積み重ね、2025年終了時点で1,029試合現地観戦。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。日本国外の南米・ヨーロッパ・アジアへの現地観戦も行っている。
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