ワールドカップ2026が終了した後、突然発生したFIFAとUEFAの対立。それは世界のサッカーを二分しかねない事態に発展しているようだ。
UEFA(欧州サッカー連盟)は7月30日、加盟する55の協会との連名で「UEFAと各国協会は、問題となっている計画が進められた場合、FIFAの大会には参加しない」という声明を発表した。
原因となっているのは、FIFAがワールドカップなどを運営する子会社の株式20%を民間の投資家へと売却しようとしている計画。UEFAはこの案を「全会一致で明確に拒否する」と表明。「ワールドカップは投資商品ではなく、選手、代表チーム、サポーターが世代を超えて築いてきた財産であり、売り物ではない」と強く批判している。
声明では「計画が完全に撤回され、FIFAの大会や統治へ民間資本を入れないという拘束力のある保証が示されるまで、欧州の代表チームはFIFA主催大会へ出場しない」と宣言されている。
なお、直近では9月5日にポーランドで開幕するU-20女子ワールドカップがある。FIFA側の計画への回答期限は9月19日とされており、大会期間中にUEFA勢が撤退する可能性もあるという。
また、女子ワールドカップの予選プレーオフが10月に開催される予定となっており、こちらにはイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドなども参加する。選手や各国代表を巻き込むものであるため、UEFA内部でも実際の運用方法はまだ整理されていないようだ。
なお、北中米カリブ海サッカー連盟も加盟41協会による会合を開き、FIFAの提案を拒否した。計画が正式な統治機関の審査を経ていないことや、回答期限が極端に短いこと、FIFAが巨額の準備金を持ちながら民間資本を必要とする理由などに懸念を示しているよう。
各国の怒りの背景にあるものは、ジャンニ・インファンティーノ会長がそれぞれの協会と十分な協議を行わず、承認直前まで秘密裏に計画を進めた手法であるという。
FIFA内部の役職を持つ各国協会の幹部からも反発が出ているため、2027年3月に予定される会長選挙へ対抗候補を立てる動きも。候補としてパリ・サンジェルマン会長のナースル・アル・ハライフィ氏の名前も浮上しているが、同氏に近い関係者は就任の意思を否定しているそうだ。
もし欧州勢が本当にFIFA大会から消えれば、競技面だけでなく放映権やスポンサー価値も大幅に低下する。そして欧州の側にとっても、ワールドカップへ参加できない状態は大きな損失になる。
そのため、今のところは「最終的にはFIFAが計画を撤回するか、大幅に修正して妥協点を探るのではないか」と予想されている。
筆者:石井彰(編集部)
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