インザーギとデルピエロ(ユヴェントス)

“常勝”ユヴェントスを代表するコンビと聞いて、真っ先に思い浮かぶのはこの二人であろう。

バッジョの系譜を継ぐ“美形のファンタジスタ”として颯爽のごとく登場し、その後、紆余曲折を経て優れたアタッカーへと転身を遂げたアレッサンドロ・デルピエロ。

一方、技術、身体能力ともさして恵まれた才能は持たなかったものの、ずば抜けた嗅覚とゴールへの強い渇望によって、世界最高峰の点取り屋へと上り詰めたピッポことフィリッポ・インザーギ。

このように経歴が全く異なる二人は、サッカー観も大きく異なっていた。2020年春、デルピエロは友人であり元イタリア代表FWクリスティアン・ヴィエリとの通話で、

「この間、君とピッポが(通話で)話しているのを見たよ。彼はアシストについて語っていたね。ゴールすることだけを考えている彼に、アシストの何が分かるっていうんだい(笑)」

とインザーギに対して語っている。味方を生かし自分も生かされることを得意とするデルピエロに対し、まっすぐゴールだけを目指すインザーギの姿はこのように映っていたのだ。

実際、当時からフリーのデルピエロにパスを出さないインザーギの態度について、デルピエロが不満を持っていたことは有名な話である。

しかしながらそこがまたサッカーの興味深いところであろう。

1997-98シーズン、天才司令塔ジダンに見事に操られた二人はインザーギが18ゴール、デルピエロが21ゴールを記録し、セリエAで2連覇を達成。デルピエロはCLでも10ゴールを記録し、大会得点王に輝いた。

性格面やサッカー観、プレースタイルの違いが必ずしも成績に反映されるわけではない。彼らのコンビは、スポーツのこうした面白い一面を新たに教えてくれたようにも思える。

ある意味ではそうした部分があったからこそ、「デル・ピッポ」と呼ばれたこの二人のコンビは組んだ時間が短いながらもサッカー史に残る2トップとして記憶されているのかもしれない。

画像提供:Getty Images

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