J1のアビスパ福岡は2日、福岡市の老舗明太子メーカー・株式会社ふくやとのオフィシャル・パートナー契約締結を発表した。

ふくやは2025年1月末をもって一度スポンサー契約を満了しており、今回の復帰は約1年7カ月ぶり。従来型のスポンサーシップにとどまらず、「セーフガーディング」を柱にクラブと企業が取り組みを共創する点が大きな特徴となっている。

ふくやは2007年からアビスパを支援してきたが、2024年12月末、突如「諸般の事情」により翌年1月31日でスポンサー契約を終了すると発表した。

当時、同社の川原武浩社長は、契約満了の理由として、クラブでパワーハラスメントなどの事案が再発・再燃した場合のレピュテーションリスク、そして当時の監督選定プロセスがアビスパの基本理念と相違すると考えたことの2点を明らかにしている。

川原氏はアビスパの社外取締役として、金明輝氏の監督就任にも反対意見を表明したと説明した。

契約満了時のふくやの公式X投稿も大きな反響を呼んだ。今後については未定としながら、掲載画像には薄い文字で「We wanna be back someday for all Supporters.」とのメッセージを忍ばせており、サポーターから惜しむ声が相次いだ。

その後、アビスパでは金氏との契約解消に至るコンプライアンス問題が発生。クラブは2026年1月、再発防止と組織改革を表明し、5月にはJリーグから、ハラスメント行為を防止・早期発見・是正する内部統制に不備があったとして、罰金100万円とけん責の懲罰を受けた。

こうした経緯を踏まえて実現する今回のパートナーシップで、ふくやは「アビスパ福岡 セーフガーディングパートナー」として、誰もがハラスメントや暴力から守られ、安心してサッカーに取り組める環境づくりをクラブと共創することになった。

アカデミーなどを含めた安心・安全なスポーツ環境の構築が、今回の復帰における最も重要なテーマであり、実際、クラブはこの2026-27シーズンにアカデミーでセーフガーディング研修などを予定している。

さらに、ホームゲームでは「ふくやシート」を設置し、「サポつく大作戦!!」として年間1,000人を招待。ホームタウン活動支援やスクールコーチウェアへのロゴ掲出も行う。

川原社長は「スポンサーでない間もアビスパはもちろん心の中にいつも居続けていました」とコメントし、今回の連携がクラブの先進的な取り組みの一助となることに期待。アビスパ福岡の西野努社長も「温かくも厳しいご期待」を裏切らないよう、安心・安全なスポーツ環境と透明性の高い経営・発信を徹底するとしている。

かつて「また戻りたい」と発信したふくやが、今度はセーフガーディングという具体的なテーマを通じて、アビスパと再び歩み始める――。単なる「スポンサー復帰」ではなく、過去の教訓を未来のスポーツ環境づくりにつなげるパートナーシップとなりそうだ。

筆者:奥崎覚(編集部)

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