ヒューストン・アストロズでMLB1年目を戦う日本人ピッチャー今井達也が、復活に向けて新たな試みに取り組んでいるようだ。それは「自分で配球を決める」ことであるという。
『Houston Chronicle』によると、今井は2日に行われたシカゴ・ホワイトソックス戦で、グラブにピッチコムの送信機を装着していたそうだ。そして、捕手からサインを受けるのではなく、自らボタンを押して球種を選択していたとのこと。
今井はこの試みについて、MLBで苦しんできた問題を解決する狙いがあったと通訳を通してコメントしたという。
「テレビゲームをやっているみたいで、本当に楽しかった。捕手からボールを受け取ったら、すぐにボタンを押せる。自分が何を投げたいか分かっているから、そのあとに時間ができる。そこで一度呼吸をして、考えて、その球にしっかりコミットできる」
今井にとって今季、大きな適応課題の一つになってきたのがピッチクロックの存在だった。これはNPBでは採用されていないため、メジャー移籍後は限られた時間の中で球種を決め、呼吸を整え、投球動作へ入らなければならなくなった。それが彼のリズムやタイミングを崩していたという。
アストロズのジョー・エスパーダ監督も、この試みはチームと今井が一緒に考えたものだと説明したとのこと。
「彼はもっと自分の登板をコントロールしてほしい。自分の強みを生かし、自分のボールを信じてほしい。こちらが与える情報を、自分のスタイルに合わせて使ってほしいんだ」
今井のMLB1年目は、ここまで決して順調とは言えない。アストロズと総額5400万ドル(およそ84億円)の契約を結んで渡米したが、不安定なピッチングが続いていた。7月末には先発ローテーションから外されてブルペンへ回っており、8月は登板自体がわずか3試合のみだった。
また中継ぎに回ってからも、チームがリードを許している終盤での登板が中心となっている。2日のホワイトソックス戦も、アストロズが0-3で負けている7回から登板。11日ぶりの実戦で3イニングを投げ、2失点、3四球、5奪三振という内容だった。
今井自身も「今季はチームの力になれていないと思う。結果を残すことが一番大切なもの。チャンスが来たら、しっかり投げてチームを助けたい。それだけです。今年は初めてのMLBなので、球場も街も慣れていない。そこに順応しなければいけない。時間を無駄にせず、良いパフォーマンスを発揮できるよう頑張りたい。精神面では調子は良い。登板するかどうかに関わらず、いつでも準備万端でいなければなりません」とコメントしているという。
果たして「自分でサインを出す」ことが今井にとってのブレイクスルーになるのか。ピッチコムあってこそのシステムが、彼の復活を助けてくれることを祈りたい。
筆者:石井彰(編集部)
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