J1のヴィッセル神戸とファジアーノ岡山は17日、両クラブの対戦を「川鉄(かわてつ)ダービー」と公式に呼称することを発表した。

両クラブはともに川崎製鉄(現JFEスチール)水島製鉄所サッカー部をルーツに持つことから、ファン・サポーターの間で以前から親しまれてきた名称を正式採用。サブタイトルには「世界一ハートフルな兄弟喧嘩」を掲げる。

両クラブの歴史をたどると、1995年に誕生したヴィッセル神戸は川崎製鉄水島サッカー部を母体としており、多くの選手が神戸へ移籍。一方、水島サッカー部OBを中心にRFK(リバー・フリー・キッカーズ)が誕生し、後のファジアーノ岡山へとつながっていった。

いわば同じルーツから異なる道を歩んできた「兄弟クラブ」であり、J1という同じ舞台で対戦する現在の関係は、両クラブの歴史を象徴するカードでもある。

また、「世界一ハートフルな兄弟喧嘩」は、2025年にJ1で初めて両クラブが対戦した際、実況を担当した江本一真氏が中継の中で紡いだ言葉だ。

江本氏は発表直後、両クラブの関係を「生き別れた兄弟が、異なる軌跡を刻み、J1の舞台で顔合わせ」と表現するため試行錯誤を重ね、「世界一ハートフルな兄弟喧嘩。川鉄ダービーの幕開けです」と口上を締めたことをXで明かしている。

今回、岡山の広報部長から直接連絡を受け、クラブ側がこの言葉の誕生した経緯まで大切にしたうえで公式採用。江本氏は「実況者が中継で発した言葉を拾い、背景まで大切にしてくださったこと」に感謝を示し、自身がこの世を去った後も言葉が残っていくかもしれないことへの喜びをつづった。

公式化を記念し、岡山では10月18日(日)の神戸戦でハリセン1万4000枚を配布予定。さらに10月1~9日には倉敷市庁舎で両クラブの歴史を紹介するパネル展示、10月9~19日には倉敷駅周辺の装飾も実施する。

単なる「ダービー」ではなく、同じルーツを持つ2つのクラブが積み重ねてきた歴史を共有する川鉄ダービー。「世界一ハートフルな兄弟喧嘩」という温かなフレーズとともに、両クラブの新たな名物カードとして定着していくことになりそうだ。

筆者:奥崎覚(編集部)

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画像提供:Getty Images

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