メッシは、観客の拍手に包まれながらピッチを一周する栄誉の周回を行っていた。彼はチームメイトとともにピッチの周囲を一周し、ゆっくりと拍手に応えていた。

それが終盤になり、我が選手たちの数名は彼が栄誉の周回を終えるルートに並んだ。彼が先頭を歩き、我が選手たちはそこにいた。彼が歩いてくるのを待って、拍手を送り、敬意を表したいと願っていただけだった。

レオは最後の瞬間にありえない迂回をした。ベナン選手の集団を意図的に避け、ピッチの中央へと歩いていった。

それは多くの人々から崇拝され、アフリカの多くの若者たちにとっては絶対に過ちを犯さないと見なされていた男がやった新たな最低の行為だった。

そこで疑問が湧いた。もし、メッシの引退試合の相手としてアルゼンチンにやってきたのが、イングランドやスペインだったとしたら、彼らはベナンと同じような扱いを受けただろうか。

もしベナンがそれほど不快な存在だったのなら、なぜ90分間同じピッチに立つことに同意したのか。この試合を実現させた相手(ベナン)に対する感謝の言葉は一言もなかった。

メッシの物語は素晴らしいものだ。彼がサッカー界にもたらした功績は誰も奪うことはできない。

しかし、サッカー界のレジェンドにリスペクトと感謝を示そうとしただけの選手たちを、警備員が押しのけたり突き飛ばしたりすること…試合後の出来事は翌日にブエノスアイレスを後にした多くの人の心に後味の悪さを残した。

初日から我々の旅を取材していた地元メディア関係者の言葉が頭から離れない。『今夜見た光景を誇りに思うことはできない。あんなことが起きたこと、自分がアルゼンチン人であることが悲しい』」

現地でもエスタディオ・モヌメンタルでのイベント運営が素人じみたものだったと指摘されており、アルゼンチン代表は同スタジアムで二度と試合をしないという話まで出ている。

ベナン側としても不快さを感じるものだったようだ。

筆者:井上大輔(編集部)
画像提供:Getty Images

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