日本サッカー協会(JFA)の名誉会長を務める田嶋幸三氏が、FIFA(国際サッカー連盟)の会長選挙に立候補する意向を表明した。

『The Guardian』によれば、2027年3月に行われる会長選で、田嶋氏は現職のジャンニ・インファンティーノ会長に挑むことになる。

その立候補には、欧州サッカー連盟(UEFA)の後押しがあるとみられているようだ。同紙は、田嶋氏がUEFAの後押しを受けて立候補に動いたと報じている。10月に東京で開かれたアジアサッカー連盟(AFC)の総会でも、UEFA関係者と協議を行っていたという。

UEFAはここ数カ月、インファンティーノ氏に対抗する候補者を探していたとされる。今夏にはFIFAの商業権の一部を外部へ売却する構想を巡って両者の対立が表面化し、UEFA側はFIFAの運営やガバナンスについて数多くの質問を提出するなど、現体制との距離を広げていた。その対抗馬として浮上したのが田嶋氏だったという。

田嶋氏は自身の立候補について、こう語っている。

「日本サッカー協会の全面的な支援を受けて、この発表ができることに感謝しています。勝つか負けるかということではありません。日本サッカーが築いてきた、誠実で健全、正直な姿勢を世界へ伝えることです。今のFIFAに必要なのは、私たちが守ってきたこのような価値観だと思っています。それを世界に訴えるために立候補を決めました」

田嶋氏は元日本代表選手で、2016年から2024年までJFA会長を務めた。長年FIFAやAFCでも活動してきたことから、欧州サッカー界にも幅広い関係を持つとされる。

FIFA会長選への立候補には、211ある加盟協会のうち最低5協会からの推薦が必要となる。今回はすでに、元スイス代表でトッテナムなどでもプレーしたラモン・ベガ氏が立候補を表明しており、田嶋氏はインファンティーノ氏に挑む2人目の候補となった。

一方、AFCのシェイク・サルマン会長はインファンティーノ氏への支持を表明している。これまでインファンティーノ氏と距離を置いていたとされるサルマン会長が支持に回る一方で、同じアジアから田嶋氏が出馬することになり、AFC内でも支持が割れる可能性があるとも。

そして『The Guardian』は、田嶋氏が欧州や北中米・カリブ海地域などから支持を得る可能性があると伝えている。UEFA側には欧州出身者ではなくアジア出身の候補を後押しすることで、「欧州によるサッカー界支配」との反発を避ける狙いもあると見ているようだ。

筆者:石井彰(編集部)
画像提供:Getty Images

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