3日、ボスニアヘルツェゴビナ代表相手に0-1からの逆転勝利を果たしたドイツ代表だが、その試合では選手間に大きな出来不出来の差があったことは否めない。そこで、選手個人個人に、本大会で活躍する可能性を探りながら、10点満点で採点を付けてみることにした。
■No.15 ピオトル・トロホフスキ 【SH】 5.0
ドイツ代表には数少ない、個人技で局面を打開できる選手であったが、ここのところは評価を下げており、この日も精彩を欠いていた。体のキレやスピード感は絶好調時に比べると、批判を免れないほどの質。ドリブルチャレンジ率自体も低下しており、気持ちの面でも後退気味か。
■No.10 ルーカス・ポドルスキ 【SH】 6.5
今大会ではFWとしてではなく、MFでの起用が増えそうだ。だが、彼のパワー溢れる突破力とシュート力を考えると、このポジションのほうが活きるかもしれない。この試合でも、対峙するディフェンダー、サネル・ヤヒッチに完全勝利し、左サイドを制圧。チャンスメイカーとしてもシューターとしてもその力を誇示した。
■No.8 メズート・エジル 【ST】 6.5
GKとの1vs1の場面で放ったコントロールショットはクロスバーにはじかれ、スコアラーになるチャンスを逸し、DFラインの裏を突いたシーンではエミル・スパヒッチに足をかけられたものの、PKの判定が下りずといった具合に不運に見舞われ。しかし、彼が数多の決定機で中心的な選手になっていたことは言うまでもなく、本大会で彼にかかる期待は大きい。
■No.11 ミロスラフ・クローゼ 【FT】 4.0
「残念ながらこの試合で彼の姿を見つけることは出来なかった」。多少辛辣な表現かもしれないが、そう言わざるを得ないほどの最悪の出来。ボールに絡む動きやパスを引き出す動きが圧倒的に少なく、ハーフタイムにベンチに下げられるのも当然だろう。南アフリカではベンチウォーマーに成り下がる可能性もありそうだ。
■No.19 カカウ 【FT】 7.5
カカウ自体にゴールはなかったが、ブラジル出身のストライカーは確実に試合の流れを変えた。後半からクローゼに代わって出場すると、抜群のポジショニングとポストワークを用いて最前線でボールを収め、周囲の攻撃参加を誘引。彼の登場により、ドイツ代表の攻撃は一気に厚みを増していた。監督のヨアヒム・レーフも彼の先発起用を真剣に考えていることだろう。
■No.13 トーマス・ミューラー 【RH】 7.0
カカウと同様に後半開始から試合に入り、持ち前の攻撃力を如何なく発揮。高確率でボールを保持するキープ力や自力で相手を抜き去ることも可能なドリブルだけではなく、ゴール前ではストライカーに変身することも可能な万能型アタッカーは、光り輝いていた。
■No.21 マーコ・マリン 【SH】 7.5
後半途中からポドルスキに入って投入されると、監督の期待以上の成果を挙げた。相手に疲労感が漂っていたこともあり、「ボールを持ったらとにかく仕掛ける」というプレイスタイルは猛威を振るい、切れ味鋭いドリブル突破でPKも獲得した。本番でも、勝ち進むためには必要不可欠な“ジョーカー”という大役を担うことになるだろう。
※マリオ・ゴメス、ゼルダー・タスキ、トニ・クロースは、出場時間が短いために割愛。