ACミランのアンドレア・ピルロは今季いっぱいで契約が切れ、フリートランスファーとなる選手の1人だ。去就が注目されるが、多くの契約切れ選手を抱えるミランはどの選手とも春になるまで契約延長の話をしないとガッリアーニ副会長は明言している。しかし、その対象にピルロが含まれるとは、少々驚きを感じる。ピルロはロッソ・ネロで10年の時を過ごし、多くの栄光を勝ち取ってきた選手であり、最大の功労者の1人であるからだ。
最新のニュースでは、ユヴェントスがピルロをフリートランスファーで獲得しようと考えていると報じられている。ジュゼッペ・マロッタGMは獲得の可能性をパヴェル・ネドヴェドらクラブ幹部と話し合っているという。また、チェルシー、ローマ、バレンシア、アトレティコ・マドリーなど多くのクラブも彼の動向を注視している。
ピルロが移籍のニュースに巻き込まれたのは今回が初めての事ではない。2006年のワールドカップの後、移籍する可能性があった事を本人が語っている。
3年後の2009年の夏、カルロ・アンチェロッティ監督が監督を辞し、チェルシーの新監督となった際にも師弟関係にあるピルロの移籍が取り沙汰された。当時のミランは監督の交代だけではなく、キャプテンのマルディーニが引退、エースのカカがレアル・マドリーへ移籍、と、非常に大きな変革期を迎えていた。財政難のミランは当時の新監督であるレオナルドの為の補強は殆ど行わず、シーズンに突入したわけだが、ヨーロッパのビッグクラブの多くはミランから選手を引き抜こうとしていた。結果的にチェルシーからのオファーをミランが拒否した事でピルロの残留は決まったが、その際の事もピルロが語っている。
ピルロは現在膝の怪我で離脱中だが、ミランとは新契約に向けた話し合いを進めていると言われている。ミランの意向はただ1つ。サラリーを抑えた上での新契約だ。ベテラン選手が多く活躍している事がセリエAの特徴の1つだが、ピルロは31歳とはいえまだまだプレーできる。しかし、来夏も新戦力を加える為には、できるだけベテラン選手の年俸を抑える必要がある。ミランはイブラヒモヴィッチとロビーニョを買い取らなければならないからだ。ミランはこれまでも契約の切れるベテラン選手と同様の手法でサラリーを抑えることに成功しているが、今回も同様の手法と見て問題ないだろう。
現在の580万ユーロの年俸からどこまで削減できるか。既に350万ユーロの新契約は拒絶されたという報道もあるが、400万から500万ユーロの間で最終合意に至るのではなかろうか。
(筆:Qoly編集部 N)