日本代表MF、本田圭佑の移籍が噂されているミラン。その噂はイタリア国内で連日連夜報じられており副会長のアドリアーノ・ガッリアーニは事前合意を否定しているが、ミラノの名門がCSKAモスクワのMFに興味を持っている事は間違いないだろう。
そのミランが移籍マーケットが開いてから終始一貫しているのが「選手を放出してから選手を獲得する」という考え方だ。そもそもミランにはローン移籍で戻ってきた選手や共同保有の選手を含めると現在33人の選手が在籍している。獲得が決定的と報じられたサンプドリアMF、アンドレア・ポーリもマチュー・フラミニとバカイェ・トラオレの去就が決まらない為に保留となっている。
ミランから残留オファーを受けているフラミニだが、本人の要求額がミランの提示額と大きく離れているようだ。『Sky Sports』や『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によればフラミニは年俸250万ユーロでの3年契約を求めている模様だが、ミランは年俸90万~100万ユーロで2年契約を望んでいるという。フラミニの契約は土曜日に失効するため残留は難しいと言われている。
また、昨季パルマから移籍してきた元イタリア代表DF、クリスティアン・ザッカルドはパルマへ戻る事を望んでいるようであり、フラムへのローン移籍を終えたウルビー・エマヌエルソンは復帰が濃厚。ベティスとミランで話し合いが行われていた左SB、ディダク・ビラについてはベティスがローン移籍を望み破談となったようだ。
サイドバックのルカ・アントニーニはマッティア・デ・シーリョ、ケヴィン・コンスタンの前に左サイドバックとしての出場機会が限られており、昨季はわずか9試合の出場に終わった。この状況は来季も続くと見られているが、8月で31歳になるSBはあと1年の契約が残っており残留を望んでいる。同じ左サイドバックのタイェ・タイウォは昨年はディナモ・キエフへとローン移籍していた。マッシミリアーノ・アッレグリの構想に入っていないのは明白であり、今年もローンか完全移籍でクラブを離れるはずだ。
元イタリア代表MF、アントニオ・ノチェリーノは出番を求めてクラブを去る可能性がある。パルマでのローン移籍が失敗したロドニー・シュトラッサーはまず放出先を探す事が先決となりそうだ。エンナムディ・オドゥアマディはプレシーズンにはミランへ戻ってくるだろうが、これまでを見ているとそのままミランに残留するとは考えづらい。
そしてミランが最も売却に魅力を感じているのが、ケヴィン=プリンス・ボアテングとロビーニョである。実力的に申し分のない彼らが相応の移籍金を引き出す事をクラブは望んでいるようだが、興味を持っているクラブとなかなか折り合う事ができないのが現状である。
ガッリアーニが何度も表明している「まず放出してから」というのはこうしたスカッドの肥大化を防がなければいけないという現状を踏まえている。金銭的に売却の可能性のある選手、状況が微妙な中堅・ベテラン、なかなか芽の出ない若手。彼らを外部へと放出しスカッドをスリム化させ始めたら、移籍の噂は現実を帯びた報道になっていくと見て良いだろう。