UEFA(欧州サッカー連盟)は現地時間30日、欧州クラブの2011年における財政調査をまとめた報告書を発表し、UEFAが導入しているファイナンシャル・フェアプレー規則(以下、FFP)について肯定的な見解を示した。

UEFAが導入しているFFPとは、欧州各クラブの健全かつ長期的なクラブ運営を促進させるため、各クラブに収支についての制限を課した制度である。クラブの支出額がそのクラブの収入額を上回った場合(2018年までは段階的に導入)、UEFAは当該クラブに翌年のUEFA主催コンペティションへの出場権を剥奪することになっている。

UEFAの事務局長ジャンニ・インファンティーノによると、過去6シーズン連続で増加傾向にあった欧州クラブの総負債額は、FFPを導入した2011年には、わずか1年で36%の減少に転じたと説明。UEFAはこの劇的な変化の背景にはFFPの存在があると主張し、その成果について前向きな意見を示した。

今回は、およそ124ページにも及ぶこの報告書の中から、私たちにも馴染みの深い特徴的なデータを中心に、FFP導入の効果をピックアップしてみることにしよう。

UEFA.com

CLUB LICENSING BENCHMARKING REPORT FINANCIAL YEAR 2011

・欧州各トップリーグの移籍金の合計は、最も高額だった期間と比較し14%減少させることに成功

(2007夏〜2008夏までの3ウインドウが総額56億ユーロだったのに対し、FFP導入後の2011夏〜2012夏の3ウインドウでは48億ユーロまで減少)

・移籍金や給与の未払い額はわずか1年で47%減少させることに成功

(2011年が5,700万ユーロだったのに対し、2012年は3,000万ユーロ)

・統計開始以降、初めて欧州トップリーグの収入の伸び幅が支出の伸び幅を上回った

(2011年の収入の伸び幅は6.9%、支出の伸び幅は6.5%)

またUEFAは、プラティニ会長がしきりに主張してきた欧州クラブの機会均衡にも言及し、近年ではより多くのクラブがUEFA主催コンペティションに参加できるようになったことも証明している。

UEFAによると、09-10から11-12シーズンまでの3シーズン、UEFAのコンペティションには計65クラブが参加し、これはその前の3年間と比較し約10クラブ増加したとのこと。3シーズン連続で出場している独占的なチーム数も17クラブから10クラブへと減り、欧州各クラブのUEFA主催大会へのアクセスがより容易くなっていることを数字で示した。

【参考資料】UEFA.com- Club licensing benchmarking report financial year 2011(PDF)

【参考資料】UEFA.com- Benchmarking report - 11 selected findings(PDF)

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