こんにちは、駒場野です。

いよいよW杯開幕直前、現地ブラジルでは色々な問題も起こっていますが、4年に一度のイベントが近づいてきました。

そんな所に幸先の良い一報が!西村雄一主審・相楽亨副審・名木利幸副審の日本人セットが、何と12日(日本時間13日)の開幕戦、ブラジル-クロアチア戦の担当に指名されました!

西村雄一レフェリー、ブラジルW杯開幕戦の主審に指名される
https://qoly.jp/2014/06/11/yuichi-nishimura-appoint-2014-wc-opening-match

さて、今年の1月26日、このセットがW杯審判団に選ばれたのをきっかけにして、こんな記事を書きました。

【コラム】W杯ではかられる「日本サッカー」-審判から見る「進歩」と「夢」
https://qoly.jp/2014/01/26/21152-20140126-nakanishi-column

コラムの後半ではウズベキスタンのラフシャン・イルマトフと比較しながら西村が決勝戦を担当する可能性について考えましたが、まさか開幕戦から選ばれるとは驚きました。

そこで今回は緊急コラムとして、過去の開幕戦審判とその後について紹介したいと思います。

◎ここでもイルマトフに追い付いた西村

今回のブラジル大会は第20回目となる男子のFIFAワールドカップですが、そのうち「開幕戦」が同時に始まったのが3回あります。1934年イタリア大会は決勝トーナメント1回戦の全8試合、1954年スイス大会と1962年チリ大会はグループリーグの各4試合が同時開催でした。

なので、明確に「開幕戦」となるのは17試合ありますが、このうちUEFAからの選出は10回です(ただし、UEFA発足前の欧州諸国から選出が2回)。CONMEBOLが3回、CONCACAFが1回。そしてAFCが3回ですが、これは最近の4大会に集中しています。今回の西村、2002年日韓大会のアリ・モハメド・ブジサイム(UAE)、そして前回2010年南アフリカ大会のイルマトフ。

1月のコラムではイルマトフが実績面で若干リードしていると書きましたが、何とここでも西村が追い付きました。FIFA内でのこの二人の評価は、本当に甲乙付けがたいようです。

さて、過去19回の大会で開幕戦を担当した16人のその後を見ると、その後も試合で吹き続けた人ばかりでないことに気付きます。試合数が少なかったという理由もありますが、1982年スペイン大会までの9回のうち、半分以上の5回は開幕戦のみの担当で終わりました。また、2002年のブジサイムもグループリーグの2試合だけを吹き、決勝トーナメントでの割り当てはありません。

ところが、この2回は扱いが変わってきています。1月のコラムでも書いたように、日韓大会で審判での問題が続発したのでFIFAが選出理念を変え、各大陸のバランスから審判自体の実力を重視するようになった後、2006年ドイツ大会のオラシオ・マルシオ・エリソンド(アルゼンチン)と2010年のイルマトフは5試合も担当しました。

そしてもう一つ気になるのが、決勝戦との関係です。

【次項】2つの良い前例