アーセン・ヴェンゲル監督といえば、若手選手を一流選手に育て上げることに定評がある。
才能ある選手を見極める眼だけではなく、彼らをチームにスカウティングする力、さらには彼らの能力を最大限に引き出すことに関しては、世界でも有数の指導者であろう。実際、ヴェンゲル監督の存在が移籍の決定打となった選手も数多くいる。今シーズンでも、すでにイングランドU-16代表の選手や、バルセロのカンテラ出身の15歳の選手をすでに獲得している。
そんなヴェンゲル監督が発掘した新たなタレントをご紹介しよう。その選手の生まれはなんと1998年。アーセナルユースに所属する選手、クリス・ウィロックである。
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— Arsenal FC (@Arsenal) 2014, 7月 21
クリス・ウィロックは1998年1月31日生まれの現在16歳。アーセナルアカデミー出身の選手で、前線でのプレーを得意としている。3人兄弟の次男であり、長男マシューと三男ジョーもサッカーの名門アカデミー出身という有名なサッカー兄弟であるそうだ(現在マシューはマンチェスター・ユナイテッド、ジョーはアーセナルのユースに在籍)。
そんなウィロックの名が注目を浴びたのは、現地時間19日に行われたアーセナルのプレシーズンマッチの初戦ボレアム・ウッド戦である。W杯に出場したメンバーの多くを欠く中、この試合でウィロックは先発出場の機会を得たのだ。
まだ細身だが、非常にバネのある動きが印象的なウィロック。攻撃的な選手だが、セントラルミッドフィルダーとしてもプレーできるそう。
イングランドのU-16代表の経験もあるという。また、2013年のナイキカップでも大会最優秀選手に選ばれた。
ちなみに、このボレハム・ウッド戦ではアーセナルが2-0と勝利した。指揮官のヴェンゲル監督はウィロックについてもコメントしている。『Guardian』の中からコメントをご紹介しよう。
アーセン・ヴェンゲル(アーセナル監督)
(ウィロックについて)
「彼はとても非常に若い選手である。先輩選手とともプレーし、自分がどれだけのことが必要なのかを確認するためにもめいいっぱいまでやってほしい。
それでも、彼は技術的にも戦術的にもとてもよく完成されているんだ。もちろん、まだ若いからパワーが少し足りないのは自然なことだろう。しかし、もし彼がパワーを身に付ければ、彼はとても興味深い選手になるだろうね」
(ボレアム・ウッド戦について)
「あの試合は選手全員に45分間を与えることができたいい機会だった。我々は走行やパスにおいて、ほんの少しの機敏さを欠いた。まだ準備の段階にないしとても暑かったから当然のことだけれどね。
ユースチームからトップチームに合流するのは誰なのか、そして、それに近いのは誰なのかを確認するにはもう少し時間がかかる。プレミアリーグでプレーするトップチームの選手たちにとっても、彼らがどれだけフィットしているか、また彼らが仕上がるまであとどれだけ必要かを見るのにも時間がかかる。
(アブ・ディアビの復帰について)
もしもディアビがフィットすれば、チームにとって大きな財産となるだろう。今のところ、我々は一歩一歩進んでいる。彼はこの試合に出場することに成功し、それは我々にとってとてもいいニュースだよ」