アストン・ヴィラ(昨季15位)【第2節目観戦】
【最大のサプライズ候補。今季は必見】
・Positive Aspect
安定感が無く、崩れやすかった数シーズンの面影は消えた。W杯で自信をつけたCBフラール、そしてデルフとウエストウッドのボランチコンビによってセンターラインに一本線が通った。黒子として走り回るリチャードソンもチームに問題なくフィット。また、非常に運動量が多いチームになったことで、前からのプレスも強力に。後ろにしっかりとした基盤が出来たことによって、前の選手も迷うことなくプレスをかけることに成功している。チームに安定をもたらす上では、コロンビア代表のカルロス・サンチェスの加入も大きい。ベテランと若手のバランスも良く、ついに飛躍の時か。
・Negative Aspect
運動量を求めていくフットボールを志向していくため、どうしても選手達への負荷は大きくなっていく可能性が高い。特に中盤のリチャードソン辺りは、献身的に走り回っているので上手く休ませていく必要がありそうだ。また、攻撃面ではヴァイマン、エンゾクビアの両翼に依存する部分が大きいことから、攻撃パターンを増やしていくような工夫は必要になってくるだろう。また、前からのプレスに合わせる形ではDFラインも弱さを露呈していないが、押し込まれる展開になった時にどうなるか。特にフィリップ・センデロスは複雑な状況を得意としていないことから、強豪との試合は難しい展開になりかねない。
・New Player
キーラン・リチャードソン
サイドアタッカーとしてもセントラルとしても中途半端な印象が強かったが、どちらのポジションでもプレーするという解決策を提示。ヴィラでは無尽蔵の運動量で攻守に走り回り、中盤のプレスを支えている。デルフとウエストウッドというコンビが好調を保っているのも、彼という縁の下の力持ちの存在があってこそ。
・Key Player
ファビアン・デルフ
攻守に躍動するヴィラの星は、ついにポテンシャルを覚醒させた感がある。守備での的確な潰しもそうだが、特筆すべきは圧倒的なパス速度。受けた選手に一瞬の余裕を与えるような縦パスで、攻撃をコントロールする。また、ドリブルのコース選択も正確で、一気に持ち運ぶようなプレーでも存在感を見せる。今すぐに連れていっても、トップクラブで問題なく主力となりそうな選手に成長した。
ロン・フラール
W杯で自信をつけ、今季も好調を保つ守備の要。オランダ代表で3CBの中央を経験したことによって、より他のDFをサポートするような動きのクオリティが上がっている。サイドバックと連携して守って行くような場面も増えているように、ついに組織を統率出来るDFへ成長した。
・Potential Player
カルロス・サンチェス
個人的にはW杯の出場選手の中でもNO1クラスだと思う守備的MF。W杯では、攻撃的なコロンビアを支える素晴らしいパフォーマンスを見せた。「岩」という異名を取るだけあってフィジカルを生かした守備力は高く、カバーリングなども上手い。また、空中戦の強さも大きな武器。CBの前でプレーさせれば、防波堤として働くはず。
・Deadline Deal
トム・クレヴァリー
マンチェスター・ユナイテッドの不調を押し付けられるように各地で酷評され、ローンで放出されてしまったMF。とはいえ、ファーガソン時代にはアンデルソンとのコンビで素晴らしいパフォーマンスを見せつけた時期もあったように、クオリティには疑いの余地はない。2センターだと相手を選ぶので難しいが、3センターに近い今のヴィラであれば活躍の場も増えるはず。衛星のように動き回ってのパス出しで、攻撃を活性化させるようなプレーが求められる。