サンダーランド(昨季14位)【第2節、第3節観戦】
【戦力が過多な印象有り。指揮官の求める難しいタスクを実行出来るか?】
・Positive Aspect
昨シーズンのグレートエスケープの立役者となったイングランド人ストライカー、コナー・ウィッカムは好調を保っており、新加入のロドウェルも素晴らしいパフォーマンスを披露している。個々のコンディションは良さそうで、ブラウンとオシェイのDFラインも相変わらず安定。守りに徹するサッカーをすれば守りきれ、攻めに徹すれば点を取れる戦力は揃った。最終日にボリーニを取り逃がしたものの、過剰なほどに戦力は揃っており、層の薄さが問題になってくる感じはしない。
・Negative Aspect
指揮官ポジェとしては十分な戦力を全て活用しきろうという目的があるのだろうが、どう考えてもチームとしてのバランスは悪い。攻撃と守備のバランスを取るには、まずは基盤を作ることが必要になるはず。また、指揮官の求める複雑なタスクによって、組織としてのバランスが崩れるような場面も散見される。特にコナー・ウィッカムのウイング起用は攻撃面でのメリットよりも守備面でのデメリットが大きく、ウィル・バックリーのように守備でも貢献出来るような選手を逆サイドに置かないと成り立たないことを露呈。昇格組のQPR相手であっても、ジョンソン、ウィッカム、フレッチャーの3トップを使ったせいで主導権を握られて攻め込まれた。明らかに過剰な戦力だが、惑わされずにバランスを重視したチーム作りを進めたいところ。
・New Player
ウィル・バックリー
第2節のマンチェスター・ユナイテッド戦では、献身的に走り回ってウィッカムとフレッチャーの同時起用を可能にした縁の下の力持ち。攻撃でも溌剌としたドリブルを仕掛けていたように、攻守両面でプレーをこなすことが出来る選手は重宝されるはず。チームプレイヤーとしての意識も高い。
・Key Player
リー・カタモール
チームがどう変わっても、常にサンダーランドの中盤で相手を削り続ける守備の要。今季は新加入のロドウェルと組むこともあり、中盤の守備力自体は上昇しそう。新加入選手が多く組織としての成熟度に劣るだけに、いつも以上に汚れ仕事が増えてきそうだ。
・Potential Player
コナー・ウィッカム
イングランドの未来は、まさかのウイング起用にもそれなりに対応中。フィジカルを生かして相手のサイドバックと競り合いながらボールを収めたり、切れ込んでのミドルシュートを見せるなど、プレーの幅も徐々に広がっている。とはいえ、やはり本職はセンターフォワードなので、フレッチャーとの競争を与えられる展開こそが理想か。
ジャック・ロドウェル
マンチェスター・シティからやってきた実力派MFは、セットプレーで脅威になるなど目覚ましいパフォーマンスを見せている。とはいえ、彼も2センターの選手。3センターには馴染み切れておらず、本来のダイナミックなプレーはなかなか見せられていない。
・Deadline Deal
リッキー・アルバレス
今夏移籍市場でも、最も深い謎となる移籍。インテルで活躍したアルゼンチン人MFがシーズンローンで加入した。懐の深いボールキープで周りを押し上げたり、テクニックを生かして中央でプレーしたり出来るものの、サンダーランドにアタッカー陣は十分に揃っている状況。彼にどのような役割を求めていくのかは、注目すべき部分になりそうだ。出番を与えられず、あっさりとローン終了して戻って行く未来が予想出来るが、それを覆して欲しい。