いよいよ日本時間20日に迫った日本代表対ヨルダン代表のアジアカップ最終節。

ここまで2連勝で首位に立つ日本だが、現時点での勝ち点6は決して安泰とは言えない。この試合のスコア、あるいは他会場の結果次第では最終節をもってグループステージ敗退という事態を迎える可能性もゼロではないのだ。

しかし、そんな日本代表もこのヨルダン戦を引き分け以上の成績で勝ち抜けを決めることができる。油断できない相手だが、日本に課せられたノルマはそこまで高いものではない。

そこで気になるのが、『日本がグループDを何位で通過するか』ということである。

準々決勝以降、アジアカップはトーナメント形式で行われる。グループステージを1位で通過するかあるいは2位で通過するかで試合日程や対戦相手などで様々な違いが生じるのだ。

今回は、日本代表がグループDを1位で通過した際と2位で通過した際の間で起こるメリットやデメリットを「日程」、「移動距離」、「日本でのTV中継時間」、「対戦相手」という4つの軸から調べてみた。


日程

1位通過と2位通過でまず大きく違うのが日程である。

アジアカップは1月9日に開幕し、1月31日に決勝を迎える短期集中型のコンペティションである。

グループステージではグループAからグループDまで順に異なる日に試合をするため、当然決勝まで進んだ場合に両チームの間には日程的な差が発生する。

日本が所属するグループDは最も遅い1月12日に初戦を迎えた。これはグループAと比べると3日遅い計算になるが、抽選で決まった以上は仕方ない。

ここからは今晩のヨルダン戦の結果により日本がグループDを1位で通過するか2位で通過するかによって生じる日程上の差を見てみることにしよう。

こちらが、それらの条件をグラフ化したものだ。

結論としては、日本が1位で通過した際、2位で通過した際と比較して準々決勝から準決勝までの期間が1日多くなるということが判明している。

これはもちろん、その分準決勝から決勝までの期間が1日短くなるということも意味している。

しかし、これだけ短期集中型の大会における「中2日と中3日の違い」は、「中3日と中4日の違い」以上に大きいと言える。試合翌日がオフや移動日に充てられることを考えると、中2日の場合は調整の時間が実質1日しかない。

これらの日程面を考慮すると、やはり1位と2位で通過するには大きな違いあるといえる。


移動距離

次に選手たちに関係してきそうな条件といえば、移動距離であろう。

今大会はオーストラリア南東部、計5会場で行われている。そのため広大なオーストラリアにおいても比較的移動距離が短くなっているが、基本的には毎試合会場が変わる短期決戦では長く戦えば戦うだけその移動距離は増える。

では、1位通過した場合と2位通過した場合、その移動距離にどれだけの差が生まれるのだろうか? 日本代表がグループステージを勝ち抜き、決勝戦まで進出したと仮定してその違いを見てみよう。

調査の結果、2位通過した方が距離的には短いことが判明した。

その大きな理由としては、『日本が2位通過した場合は準決勝を決勝と同じスタジアムで戦うこと』が挙げられる。

総距離で比べてみると両パターンには235kmの差があるが、これは東京駅か名古屋駅を直線で結んだ距離よりちょっと短い程度(東京ー名古屋間は267km)。2位で通過したほうが移動距離的には短くなるが、中日が1日減るほうが遥かにダメージは大きいだろう。

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