2月16日、『Guardian』など各メディアは「トッテナム・ホットスパーの元ユース選手ラドワン・ハメドの訴えが認められ、クラブに賠償金の支払いが命ぜられた」と報じた。
ラドワン・ハメドは1988年生まれの26歳。トッテナム・ホットスパーの下部組織で育成されていたストライカーであったが、2006年8月にセルクル・ブルッヘと試合中に心臓発作を起こし、16分間呼吸が停止する事故に見舞われた。
一命は取り留めたものの、酸素の不足によって左脳に損傷を負い、サッカー選手としてのキャリアを失ったばかりか、生活にも影響を及ぼす結果となった。原因はファブリス・ムアンバと同じく肥大型心筋症であった。
彼はその11か月前に心電図のチェックを受けており、心臓に何らかの異常があることは判別されていた。しかしクラブはこれを大きな問題と捉えずハメドにプレーさせていたことが事故につながっていた。
ハメド側はピーター・マイルズ医師、並びに判断に関わったシャーロット・カウィ医師、マーク・カーティン医師、そしてトッテナム・ホットスパーに過失があったとして損害賠償を求める訴えを起こしていた。
裁判官はこの訴えを認め、クラブに70%、ピーター・マイルズ医師に30%の責任があるという判決を下し、賠償金の支払いを命じた。なお、その額については500~700万ポンド(9~13億円)になる予定で、今後議論の上で決定される。
なお、この件に関してはトッテナム・ホットスパー側も自身の過失を認めており、ラドワン・ハメドに対するサポートも続けている。