ベトナムサッカーの年間表彰式「ゴールデンボール・アウォーズ2014」のMVP候補10選手がこのほど発表され、FWレ・コン・ビン、MFグエン・バン・クエット、MFファム・タイン・ルオンらベトナム代表の中心選手に交って、ナイジェリア出身の帰化選手ホアン・ブー・サムソン(ハノイT&T)がノミネートされた。
これを受け、ベトナム国内では、「帰化選手を代表に招集すべきか否か」という議論が再び持ち上がっている。なお、ベトナムサッカー連盟(VFF)は現在、帰化選手を招集対象外としている。
純血主義の傾向が強いベトナム
Vリーグでは2005~2011シーズンまで、外国人選手の数を増やし、チームを強化するため、各クラブが帰化選手を積極的に登用していた。資金力豊富なベカメックス・ビンズオンやビッサイ・ニンビンなどでは、スタメンのうち7~8人が外国出身選手*ということも珍しくなかった。
帰化選手はクラブでプレーする場を求めて帰化した者が殆どで、ベトナム代表に貢献しようとする者は稀だが、帰化選手が誕生してから現在まで、「帰化選手を代表に招集すべきか否か」という議論が度々行われている。
実際にポルトガル人のエンリケ・カリスト監督時代には、GKファン・バン・サントス(ブラジル出身)、GKディン・ホアン・ラ(ウクライナ出身)、FWディン・ホアン・マックス(ナイジェリア出身)、FWフイン・ケスレー・アルベス(ブラジル出身)などの帰化選手を招集している。
しかし、2mの大型GKとして期待されたファン・バン・サントスは活躍できず、代表の正GKにはズオン・ホン・ソン(ハノイT&T)が定着。ベトナム人守護神は鉄壁の守りを見せ、AFF スズキカップ2008優勝の立役者となった。それ以降、帰化選手が代表に招集されることはなくなった。
*Vリーグは今季から外国人枠を2人、帰化選手枠を1人に制限している
(C) baomoi, ホアン・ブー・サムソン