W杯予選はすぐ始まる。チームは作り上げられるか?

時間はないが、そうしなければならない。そのためにこれから代表のスタッフ含めて本当にたくさん仕事をしなければいけないし、私もいろいろな所に出かけなければいけない。

現時点の力をさらに引き出さなければいけない。ただ、私はデリケートな状況での経験もある。出来るだけ早く自信を与え、勝利への意欲を与えなければいけない。

最初に会って話さなければいけない。ビデオも用意しなければいけない。ディフェンス面もオフェンス面も分析しなければいけない。それに関して多くのアイデアを持ってきた。

私のやり方に対して選手がモチベーション高くやってくれることを望む。まず何よりも、哲学を受け入れてもらわなければならないけれども、日本代表というのは規律正しく、大きなものを成し遂げる準備は出来ている。私はそれを楽天的に見ている。

攻撃重視、守備重視?哲学は?

フットボールには二つの面がある。ボールを持っているときと持っていない時。

持っていない時は、現代サッカーでは皆が同時にブロックを作って守備をする。この守備ブロックに関しても高い位置、中くらいの位置、低い位置とあるが、ともかく全員が関わらなければならない。このように全員が努力しなければならない時に一人が欠けてはいけない。

ボールを持っている状況になれば、これも同じであり、ビルドアップに関しても皆が関わらなければならない。

私はもともとFWだった。皆に言いたいのは、効果的な選手であれということだ。私は攻撃が好きなので、ビルドアップでも前に行ってほしいし、たくさんの選手が関わってほしいし、いろいろな攻撃に働きかけるときにも沢山人数をかけたい。

これに関しても向上させたい。スピードアップの部分など、ボールタッチ数も制限していきたい。たとえばワンタッチ、ツータッチを多く使っていきたい。最後のペナルティエリアのところでは、何人もの選手が関わっていくところを作りたい。3人、ないし4人。

日本代表にはそういうことが可能なクオリティがある。現段階よりも高いレベルを見せられるのではないかと思う。最初に選手たちに話して、個人個人の質がチームに生きていくんだよと伝えたい。

バルセロナやブラジル代表のようなサッカーがしたいと言う指導者もいると思うが、我々は日本なので、日本としての戦い方をしたい。

現代サッカーでは高いレベルが求められる。技術、フィジカル、タクティクス、メンタル面もそうだ。それらで高いレベルに到達しなければならないし、向上が必要だ。それに関しても可能だと思っているし、楽観的に考えている。

勝利するということが大事。勝利という言葉をたくさん届けたい。この考え方に対して貢献する選手が必要だ。

スターという意味では、チームがスターだと思う。そうとはいっても、個人能力をおろそかにしてはいけない。スターに値する能力があっても、チームのために仕事をしなければいけない。それを一人一人に話したいと思うし、攻守両面においてそうだ。出来るだけ早くそういう仕事をしたい。

これからグループとしてプレーしていくと思うが、もしかしたらメンバーは毎回変わるかもしれない。今のところ確定している者はいない。スタメンも決まっていない。まずはプレーしてもらう。

国内にいる選手も、国外にいる選手もそうだ。国内のサッカーをまずしっかり見たい。Jリーグに能力の高い若い選手がたくさんいると聞いている。今のところ、出来るだけたくさんの選手にチャンスを与えたい。日本は全ての人のためのもの。そこに値する選手が入る。

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