週末のJリーグにおける「気になる失点シーン」を振り返る企画。今回は2015シーズンのJ1、第2節。

試合も無料中継された開幕戦のようにTwitterなどでの映像配信はなくなってしまったが、YouTubeでのハイライト配信は行われているのでこちらを活用してみたい。

その前に、2週連続で話題となってしまった「疑惑のゴール」について簡単に。

J1第1節 清水vs鹿島 遠藤康(鹿島)

J1第2節 川崎vs神戸 大久保嘉人(川崎)

いずれのゴールもボールがゴールラインを完全に越えてはいなかったが、判定によりゴールとなった。

まず遠藤のゴールに関して、副審から見た場合にニアサイドの2人、特に赤い丸で囲った平岡康裕がボールを見づらくさせた可能性が高い。

また大久保のゴールは、やはり人よりもボールの動きの方が速いため、直前の映像でも副審がこの場合にいるべきボールの延長線上から既に遅れてしまっている。

よって、赤い線のような視点で判定を行ったことが推察できる。

サッカーにおいてこういったケースは決して珍しくなく、審判は「見えないものを判断する力」が頻繁に求められる。副審にとってその最たる例がオフサイドで、「ボールが蹴られた瞬間」と「オフサイドラインから出ていたかどうか」を同時に、はっきり見るというのは当然のことながら不可能だ。

そのため、審判には見えない分をイメージで補完する能力が必須であり、Jリーグの主審・副審ともなればそれを高いレベルで備えている。しかし、今回はゴールに直接関わるところで「誤審」が発生してしまった。

さて、肝心の「気になる失点シーン」の方へ移っていきたい。今回は松本山雅vsサンフレッチェ広島の1点目を取り上げる。

【次ページ】2対2における発想の差から生まれたゴール