21日に行われたJ2の第3節、コンサドーレ札幌対アビスパ福岡の試合で、信じられないプレーが起きた。

1-1で迎えた試合終了直前、勝ち越しゴールを狙い自陣中央付近まで上がっていたアビスパのGKは左足で味方へ繋ごうとするが…

絶句…

ここまで開幕2連敗のアビスパはアウェイながら残り時間僅かのところで初勝利を狙い、GKも高い位置まで出て受けたボールをすぐに味方へ繋げようとした。

しかしあろうことか詰めていた目の前の敵にパスをすると、これを札幌の福森晃斗が冷静に流し込み勝ち越しゴール。これが決勝点となり、札幌が2-1で勝利している。

札幌にとっては劇的な幕切れであるが、この信じられないミスを犯してしまったのは笠川永太。福岡生まれで中学時代よりアビスパの下部組織に所属する生粋の生え抜きGKだ。その端正な顔立ちと長身を生かし、モデルを務めたこともあるという。

しかし2009年に昇格したものの、神山竜一が君臨するトップチームではほとんど出番がなく、プロ生活6年間で公式戦の出場は僅かに6試合。今回がチームの開幕連敗により約1年半ぶりに巡ってきた絶好のチャンスであったが、痛恨のミスで勝利を献上してしまった。

今年はU-22日本代表の中村航輔が柏レイソルから期限付きで加入しており、彼がリオ五輪予選の遠征で不在の間に何とかアピールしたいところであったのだが…。

アビスパはこれで開幕3連敗。大きな期待を受け今年から指揮官に就任した元日本代表DF、井原正巳氏にとっても非常に、非常に厳しい船出となった。

失敗を人生の糧に…

ところで今回のプレーは国民的な人気漫画、スラムダンクの湘北対海南戦での名場面、主人公・桜木花道が味方と風貌のよく似た敵へ間違えてパスを出し、痛恨の敗戦を喫してしまった場面を彷彿させるものがある。

もちろん味方を間違えてしまったわけではないだろうが、最後に、笠川とアビスパサポーターにはこの言葉を送ろう。海南戦後、自らのミスにより敗れたことで涙が止まらない主人公へ、湘北の主将がかけたセリフをほぼ引用したものである。

「これで終わりじゃねえ…Jリーグはまだ始まったばかりだ…泣くな」