左センターハーフのポグバも、積極的に高い位置を取る。ここでもヴァランはサイドバックの裏に生まれるスペースを気にかけており、カルバハルとの受け渡しが上手くいっていないように見える。

面白いことに、ユベントスの攻撃は43%が左サイドからだった(Whoscoredより)。

この4つの場面で着目すべきは、ポグバの位置取りだ。

ヴィダルが中央のスペースから走り込んだ際、アンチェロッティが「奪いどころ」に設定したゾーンに入っていくことになってしまう。そこで長身のポグバが、まるでストライカーの様な位置へ。カルバハルを引き付け、DFライン全体のバランスを崩そうとする。

「奪いどころ」にヴィダルが入ってきたとしても、高い位置にポグバがいる状態ではCBが出ていくことは大きなリスクになりかねない。彼の位置取りでDFラインにしっかりと「釘を刺した」のである。

ポグバがセカンドボールに競り勝ち、アルバロ・モラタがこぼれ球を決めたユベントスの同点弾自体はセットプレーからのもので、運に味方された部分も勿論ある。しかし、明らかに後半ユベントスが流れに乗ったのも事実だ。※編集部:興味深い縦視点の動画があったので紹介。前編にも前半のものを追加。

リスクを承知で点を取りに来なければならなかったアンチェロッティと対話する様に、アッレグリは答えを導き出した。相手の「奪いどころ」を利用して、サイドからの攻撃でバランスを崩したのである。

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