躍進の鍵を握るのは間違いなくアレクシス・サンチェスとアルトゥロ・ビダルの2人だ。
昨年のW杯後にバルセロナからアーセナルへ移籍したサンチェスは、南米人にとって鬼門とも言えるプレミアの舞台でいきなり躍動。16ゴールを記録してエースにまで上り詰め、バルサでの脇役から世界の主役の1人であることを見事に証明した。
今年のチャンピオンズリーグでファイナリストとなったユヴェントスを牽引するビダルにかかる期待も大きい。このチームの心臓部とも言える彼だが、昨年のW杯は大会直前に手術をしたことで万全の状態とは言い難かった。CLの決勝から合流して間もないが、今年は充実した状態で本番を迎えることになる。
また、主将のブラボもバルセロナ初年度でいきなり無失点記録を更新するなど守護神に君臨、アーセナル移籍の噂が絶えないアランギスや闘犬メデルら勝利に飢えた選手たちが揃っている。
不安材料は大会前に何人かの怪我人が出たことだ。彼らはみな主力ではなかったが、サンチェスと不動のコンビを組むバルガスもシーズン終了間際に負傷し、メンバー入りを果たしたものの大会中に完全な状態に戻るかどうかは不透明である。
しかしFWにはアタランタでスーパーゴールを連発するピニージャ、クロアチアで爆発的にゴールを量産した若いエンリケスも控えており、総合力は間違いなく昨年以上と言える。
例え神風が吹かなくとも、地元開催で初優勝のチャンスは十分にあるだろう。