戦後、そして原爆投下から今月で70年を迎えるにあたり、V・ファーレン長崎とサプライヤーのHummelが5日、平和を祈念する新ユニフォームを発表した。
1945年8月9日、長崎市は広島市に続いて原子爆弾が投下され、約24万といわれる人口のうち7.4万人が死没。建物も約36%が全焼、または全半壊という未曽有の惨事を経験した。
今回、原爆投下から70年が経過し、被爆者の高齢化により歴史が受け継がれにくくなっているという事実を踏まえ、より広く、より若い層にも「1945年8月9日」を知ってほしいという思いでこのユニフォームが作成された。
V-Varen Nagasaki 2015 Hummel 'Pray for Peace'
ユニフォームのデザインテーマは「祈り」。長崎のチームカラーである青とオレンジのグラデーションをベースに、ユニフォーム全体に祈りの折り鶴模様と折り鶴の展開図をプリント。また正面には、長崎の平和を象徴する「平和祈念像」のシルエットを配置している。
彫刻家の北村西望氏によって作られた平和祈念像は、神の愛と仏の慈悲を象徴し、右手が原爆の脅威、左手が平和、右足が原爆投下直後の長崎市の静けさ、そして左足は救った命を表現。長崎の象徴ともいえるこの平和祈念像をデザインに入れることで、より広く原爆の悲惨さと平和の尊さを喚起したいという願いが込められている。
現役時代に広島でもプレーした高木琢也監督は、この平和祈念ユニフォームを積極的に支持。「今回のユニフォームには、『平和祈念像』と『折り鶴』がデザインされており、実に“長崎らしい”仕上がりになっていると思います。原爆が投下された8月9日の前日を含むホームゲーム2試合でこのユニフォームを着用することは非常に意義深いことです。『平和』を祈る思いを胸に、新たな世代へその尊さを伝えられるよう、全力で試合へ臨みたいと思います」と語っている。
新ユニフォームは、8月8日(土)のコンサドーレ札幌戦、同23日(日)のカマタマーレ讃岐戦の2試合で使用(下はピンクと黄色を基調としたGKユニフォーム)。
8月8日から試合会場(長崎県立総合運動公園)とオンラインショップで販売が開始され、ユニフォームの売上の一部は、大会名がオランダ語で“平和”を意味する日中韓3カ国の小学生サッカー大会「第1回 VREDE CUP in NAGASAKI」(8月15-16日開催)に寄付されるとのことだ。