有馬記念でオルフェーヴルの優勝に熱狂したり、ブラジルW杯で日本代表の躍進を予想したりと、どこか日本びいきで親近感のあるオーウェン。先月には優勝候補・南アフリカ代表を破ったラグビー日本代表の雄姿に感動したことをツイートし話題を集めた。
今やすっかりスポーツ評論家としての顔が板に付いてきたが、現役時代はリヴァプール、レアル・マドリーなどで活躍し、2001年にバロンドールを受賞したイングランド史上有数の快速ストライカーである。
その彼を世界的に有名にしたのが1998年フランスW杯でのこのシーンだ。
決勝トーナメント一回戦のアルゼンチン戦。
オーウェンはこの後、ディエゴ・シメオネを蹴って退場することとなるデイヴィッド・ベッカムからのパスに颯爽と抜け出すと、追いすがるホセ・チャモを振り切り、さらに爆発的な加速力でロベルト・アジャラを置き去りに!最後は右足で豪快にゴールネットを揺らしたのである。
当時なんと18歳。世界中に衝撃を与えたこのゴールは彼の愛称ともなる「ワンダーボーイ」誕生の瞬間であった。
浅野は13日にA代表デビューを果たした南野拓実、久保裕也らと次世代のエース候補として期待される若き逸材であるが、来月10日に21歳の誕生日を迎える。間もなく当時のオーウェンより3歳も年長になってしまうのだ。
そう考えると18歳のオーウェンが見せたこのプレーがいかに常識外れであったかが改めてよく分かる。晩年は怪我に苦しみ33歳で現役を退くこととなったが、このゴールは人々の記憶に残り後世に語り継がれていくことだろう。浅野にも是非大舞台でこのようなゴールを決めてほしいものだ。