2002年6月21日、時は2002年ワールドカップの真っ最中。

準々決勝まで進出したイングランドとブラジルは、静岡スタジアム・エコパで合間見えた。

マイケル・オーウェンのゴールで先制するも、ブラジルは前半終了間際にリヴァウドの狙いすましたシュートで同点に追いつく。そして、未だ記憶に新しいあの伝説のゴールが生まれる。

50分、ポール・スコールズがクレベルソンを倒してブラジルのフリーキックが与えられると、これをロナウジーニョが狙い、そのボールはシーマンの頭上を越えてゴールネットに吸い込まれたのだ。

結局このゴールが決勝点となり、イングランドは準々決勝で敗退。この試合に勝利したブラジルはこのまま決勝にまで勝ち進み、見事5度目の優勝“ペンタ・カンペオーン”を成し遂げた。

そうした因縁もあり、英国のファンたちはこのシーンを「ロナウジーニョが13年ぶりにシーマン相手にループを狙った」と話題にしたのだ。

では、ロナウジーニョは本当にこのことを意識していたのだろうか?

真相は分からない。しかしこのキックを放った後、ロナウジーニョはこんな表情を見せていた。

【次ページ】ロナウジーニョはこのループを意図的に蹴ったのか?