「リーベル・プレート」とはその名の通り、アマゾン川とともに南米を象徴する大河ラ・プラタ川(スペイン語名:リオ・デ・ラ・プラタ)を英語表記したものだ。
アルゼンチンでは"River"が「リーベル」とスペイン語読みされるのに対し、"Plate"はプレー(ト)と、英語読みプラス(語尾の発音が抜ける)スペイン語読みの混合となっており、それが日本におけるカナ表記の混乱の元ともなっている。
ただこれに関してはリーベルの宿敵ボカも同様で、"Boca Juniors"の"Juniors"は英語のため、現地ではスペイン語読みの「フニオルス」ではなく 「ジュニオルス」と呼ばれるが、日本ではそのまま英語読みの「ボカ・ジュニアーズ」とされてしまっているのが実状である。
1945年の敗戦後、アメリカ及び連合国に7年間統治された影響から日本では外国人=アメリカ人、外国語=英語という認識が長く続いた。そうした歴史や国際的な交流や情報が少なかった時代なら仕方ない側面はあるだろう。実際にサッカー以外の古い文献を見ても、外国語のカナ表記が誤っていることは珍しくない。
しかし今はいつでも“リアルな発音”を手に入れられる時代である。何より「リーベル」と「リバー」、これが同じものだと理解しているサッカー通にはさほど問題はないかもしれないが、一般の視聴者からすれば意外にこの2つの音はイコールで結び付かず、混乱をもたらす原因になっていることは想像に難くない。
長く使用していれば親しみや愛着も生まれているだろう。しかしそろそろ「リバー」表記に「お疲れ様」をしてもいいのではないだろうか。