好調の要因は?

好調の要因は、ビセンテ・モレノ監督の堅実なサッカーがベースとなっている。シェレスで長くプレーした同監督は引退前から指導者を兼任、引退後すぐに監督へ昇格し2011-12シーズンを戦った。

その後、バレンシアU-18チームを経て3部を戦うヒムナスティックへ移り見事2部昇格を決めて見せた。2015年にスペインの通信社EFEが決める2部BグループIIIの最優秀監督賞を受賞したほか、契約を3年間延長している。

ビセンテ・モレノ監督は188cmと大柄だが現役時代はサイドアタッカーを務めていた。また、今年11月の2部月間最優秀監督にも選ばれている。

今季は、昇格初年度ということで選手はほとんど入れ替わった。このような場合、戦術が浸透できずその選手の質と反比例するように苦しむことが多い。しかし、ビセンテ・モレノ監督は頼れるエースストライカーこそいないが得点数、失点数共に比較的安定した良い数値を保っている。

確実に勝ち点を重ねているのはホームの強さからである。ホームではルーゴ戦に負けた1試合をのぞくと他は全て引き分けか勝利している。対してアウェーは第2節のテネリフェ戦で勝利したもののしばらく敗戦が続きビセンテ・モレノ監督に対して指摘が飛び出していた。1月に入ってからの成績は1勝3分と大きく改善され、その結果4位という順位にまで上昇することに成功した格好となっている。

気になるポジション争い

ポジション争いとなるのは堅実なDF陣である。DFラインはシスコ・カンポス、イアゴ・ボウソン、パブロ・マリ、モサで固定されている。控えの選手は若い選手が多く可能な限りはレギュラーの4枚で固定したいだろう。

となると、鈴木の役割はサイドバックも含めた怪我人、出場停止などが出た時の穴埋め役からのスタートではないだろうか。

幸いにして鈴木は星稜高校時代はMFも務めたほかU-17代表で左サイドバック、プロ入り後はセンターバックとポジションを移ってきた。その時の経験が生かされるかも知れない。

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