ゴラッソを決めたブラス・ペレスは35歳。映像でも分かるが、長い手足を生かしたプレーを得意とするFWだ。
2007年のコパ・リベルタドーレスで大躍進したククタ・デポルティボ(コロンビア)のエースとして脚光を浴び、その後スペイン、メキシコ、アメリカを転々。10年近く主力として活躍するパナマ代表では、これまで101試合39得点を決めている。
6月に開催されるコパ・アメリカ・センテナリオへの選出も確実視されており、彼もまた、パナマ国民の期待を一身に背負う選手なのだ。
ホワイトキャップスには工藤と同じく今年加入したが、ここまで結果を残せていなかった。しかし、ポジションを争う工藤の負傷によって得たチャンスで移籍後初ゴールを決めると、最後は漫画のようなバイシクルシュートで主役となったのである。
プロの世界は非情なものである。例えばポジションが1つしかないGKは、ライバルの負傷によって出場機会を得た控え選手が、そのままレギュラーを奪ってしまうことも少なくない。今回の事故が両者にとって、運命を分けることになるのかもしれないのである。
もちろんベテランのペレスはそのことをよく理解しているだろう。それでも試合後、自身のSNSに、
Also my best wishes go out to @masatokudo9, wish you a full recovery, this win goes for you bro!
— Blas Pérez (@superraton7) 2016年5月12日
「工藤の幸運を祈るよ。完全に回復しますように。この勝利は兄弟である君のためのものだ!」
このように記し、ライバルである工藤に自身のスーパーゴールを捧げた。